fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-5
‐公園から数分離れた道‐
「‥‥皇。」
‥‥前に織音がいた。
「‥‥なんだ?迎えにでも来たのか?」
「違うわ。‥‥司義莉お父様と話さなかった?」
「はぁ?」
皇希の口の端がピクッと動く。
「‥‥嘘は嫌いよ?皇は嘘を言うと、口の端が動くの。」
‥‥流石、親友。だが、
「意味がわからないが?」
「そう。絶対に何も言わないの?なら、‥‥イメージマテリアライズ!」
織音は双剣を出した!
「イメージマテリアライズ!」
皇希も双剣を出した。
「‥‥反抗期かしら?しかも、私に勝てるかしら?」
「‥‥ここじゃ、人目があるし、場所を変えよう。‥‥梛さん?見ているでしょう?」
『‥‥皇希君、織音様、一体何を?』
「多分、俺が口を開かないといけないみたいですね。‥‥場所を中庭に変えたいので、召喚してくれませんか?」
『‥‥わかったわ。‥‥空間干渉転移召喚魔法陣展開!大気よ!彼らを中庭へ!』
前と同じように、地面に魔法陣が浮き上がり、一瞬して皇希と織音は消えた。しかし、その様子を見ている人影があった。
「やれやれ、織音も困った娘だ。」
司義莉が見ていたのだ。
「仕方ないなぁ。‥‥はぁ。」
そして、溜め息しながら何処かへと歩き始めた。
「なんで、俺が後始末しないといけないだ?‥‥ぶつぶつ‥‥」
‥‥どうやら、司義莉は皇希らの喧嘩?を止めに入るらしい。しかし、何故さっきは止めなかったのだろう?
一方、その頃‥‥
‐午前十一時、神城家中庭‐
神城家一同が見守るなか、皇希と織音は戦っていたが、様子がおかしい。
織音は汗をかいており、はぁはぁと呼吸も乱れている。所が、皇希は汗はかいてないし、呼吸すら乱れてはなかった。
神城家一同はその風景に圧倒されていた。
〈ヒュン!ヒュン!!‥‥スカッスカッ〉
「なんで?なんで、当たらないの?」
「‥‥‥」
織音の攻撃を見事にかわしている皇希。しかし、何も言わない。