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fantasy ability
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fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-4

「‥‥さて、そろそろ“覚醒”が始まるが、心の準備が出来てないようだのぅ?」
「‥‥ええ。」
「おやおや、素直になったわい。」
「‥‥聞きたくないですが、貴方は何かと、心が和みます。」
「それは嬉しいのぅ。‥‥ワシの名は、天神 司義莉(あまがみ しぎり)じゃ、わかるじゃろ?」

‥‥織音の祖父?しかし、天神家の“罪神”は織音だけと言っていた筈だ‥‥

「確かに、正式には織音のみじゃ。もっとも、その織音も“罪神”じゃないぞい。」
「えっ!?‥‥待ってください、俺の心が読めるのですか?」

「もちろんじゃ。まだまだ、ワシは元気じゃ。‥‥所で、“条件”は聞いてないのかのぅ?」
「詳しく事は知りません。」
「‥‥そうかい。じゃあ、ワシから言ってやるぞい。
一つ、汝が求める者に逢った時、己の正体をあかしてならず
一つ、汝が求める者に逢った時、その者に感情を持ってはならぬ
一つ、汝が求める者に逢った時、その者が“力”を知って持った時、汝が手助けをするべし
一つ、汝が求める者に逢った時、その者の“正体”を言ってならぬ、又、“運命”を変えてはならぬ
‥‥以上が、織音の“条件”じゃ。」

だから、最初は正体をあかしてはなかったのか、しかし、何故あの時はあかした?

「それは、隣の神城 光に対して、あかしたのであって、君にはあかした事にはならないからのぅ。‥‥よく考えた我が娘じゃ。」
「‥‥‥さっきから、気になっていましたけど、司義莉さん、貴方はそんなに歳をとってませんね?」
「‥‥何故じゃ?」
「織音が良い例ですし、なによりも、言葉がわざとらしいです。」
「流石、勘だけは神クラスだな。」

老人だった筈の司義莉さんが、誠慈さんみたいに何処かにいそうな青年ぐらいの背格好になった‥‥
ただ、髪の色が美しい金色、目の色は赤であった、そして、整えられた顔つき
‥‥かっこいいの、ただ一言であった。

「‥‥これが俺の本来の姿だ。」
「‥‥変身は趣味ですか?」
「念のためだな。」

「‥‥で、何故、俺に逢いに来たのですか?」
「‥‥君には死んでもらいたくない。ただ、君は欲しい“モノ”に関しては何も言わない。」
「そこまで知っているなら、何故、俺を神城家に連れていかないのですか?」
「‥‥‥。」
「‥‥‥。」

‥‥この人は何をしたいんだ?だが、なにかと落ち着く。何故?

「‥‥さてと、俺は君に対して何もしない。今日は帰った方がいい。織音に俺の事は言うなよ?っと、言っても無理か。しかし、話の内容は秘密だ。」
「‥‥わかりました。」
「‥‥“覚醒”は三日後、それまでに“迷い”考えろ。‥‥今、自分に出来る事は“一つ”しかない。じゃあな。」

そう言い残し、司義莉さんは老人の姿に戻り去った。

《‥‥あの人は俺を落ち着かせる為に来たのか?》

と、思いつつ立ち上がり、公園を後にした。


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