fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-3
「‥‥織音様?一体、“何が”?」
「‥‥‥」
「織音様?」
「‥‥えっ?」
織音の頬には一筋の涙が流れていた。それは、何に対する“モノ”なのかは梛は質問する
「‥‥何故、泣いているのですか?」
「何でもないわ。大丈夫よ♪」
「‥‥織音様は知っているからこそ、“泣いて”いるのですね?」
「‥‥何も言わないで。」
「‥‥織音様がそう言うのでしたら、もう何も言いません。」
「‥‥ありがとう。」
「いいえ。」
その後、食堂の一同は沈黙のまま、食事をした。
‐皇希兼織音自室‐
‥‥‥。もう嫌だ!俺は“人間”で居たい!くそっ!‥‥気晴らしに外にで行くか‥‥、今日が休みでよかった‥‥
‐神城家から少し離れている公園‐
‥‥今日は来ないと思った場所に来てしまった‥‥毎日、通る場所なので、飽きてしまう。しかし、今日は雰囲気が違った。
「‥‥はぁ。」
一人、虚(むな)しくベンチに座る。
「‥‥はぁ。」
さらに、溜め息の連発‥‥
「若い者が溜め息とはダメでいかんのぅ?」
と、そこに一人の老人の男性‥‥
「‥‥ほっといてください。」
「おやおや、“絶望”を感じておるのかね?もしくは、“恐怖”か‥はたまた、“自己嫌悪”かのぅ?」
「っ!!!」
「図星かのぅ。‥‥“迷い”は大いに結構、それは人間の“性(さが)”であり、人間の“強さ”でもある。」
「‥‥失礼ですが、帰りますので。」
ベンチから立ち上がり、帰ろうと歩き始めるが老人の一言で止まった。
「‥‥待ちなさい、山崎 皇希君?」
「ッ!!!」
「君は“罪神”を知っているじゃろう?」
振り返り、問いただす。
「‥‥貴方は“何”を知っているですか?」
「‥‥少なくとも、“神城家”よりはね。」
「‥‥誰ですか?」
と、言いながら身構える‥‥
「まぁまぁ、そう身構える事もなかろう。」
構えを解き、ベンチにまた座った。
「‥‥‥。」
「さて、ワシも座るぞい。」
そう言って、謎の“罪神”の老人も座る。