fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-23
「‥‥まだ解らないのが、その“望み”‥いえ、貴方が“手にしたい事”。それが、知りたいわ?」
「‥‥‥それは言えません。」
皇希ははっきり言った。梛は溜め息を出す。
「‥‥ふぅ。どうしても、教えられないと?」
「‥‥はい。」
「そう、わかったわ。で、‥‥結局“自分自身”が大事なのね?」
「‥‥はい、わがままだと思ってます。しかし、俺が自分でやらないといけない事なので。」
「‥‥そう。皇希君が自分自身で‥‥。」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
と、二人は無言になる。すると、織音が急に喋り出した。
「梛?‥‥皇の“望み”は、私だって知りたいわ?まぁ、知っていて教えてくれない三人がいるけどね。」
織音は司義莉を見た。
「‥‥俺は彼の“運命”だと思っているから、関わりは出来ない。それは、神城 凰輝とて、同じことだろう。‥‥あと、一人なら彼の心が揺れるだろうな。」
皆の視線が司義莉に集まる。すると、
「俺も頑固者だぜ?言わないぞ?」
「司義莉さんなら、そう言うと思っていました。なんせ、織音の父親なんだから‥‥。」
「む、どういう事だね、皇希君?」
「なんでもありません。」
「まぁ、いいさ。」
と突然、神城家の家中に警報(?)が鳴る!
〈ジリリリリリ!!!‥‥〉
「これは何ですか?梛さん?」
「皇希君が暴走していた時にね、私たちにも“奴等”の手下が来てね、だから、打開策と言った所かな?」
「‥‥なるほど。という事は、敵が来たと?」
「そういう事ね。‥‥周りに五百っと、いった所ね。」
「‥‥多い?少ない?どっちですか?」
「前は百ね、だから、ちょっと本気かな?」
「そうですか、さて、話し合いは一旦終了でいいですね?」
「ええ。」
その後、皇希が余裕で敵を倒す事により、相手は戦意が消失した為、三十分後には終わった。
‐午後五時半、再び食堂‐
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「‥‥どうして、皆、暗い顔しているだ?」
「司義莉さん、暗いではなくて、驚いてだけなのでは?」
「それは皇希君のセリフでは無いような?」
「‥‥まぁ、気にしないでください。」
皇希と司義莉以外は、先ほどの戦闘の皇希に驚いていたのだ。
というのは、先ほどの戦闘で、皇希一人で百人を倒してしまったので、あきらかにもう守られる“存在”ではなくて、立派な戦闘が出来る“存在”なのだから‥‥。
すると、織音が急に喋り出した。