fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-22
「‥‥ああ。俺の“運命”なんだろ?」
「‥‥そうじゃなったら?」
「変わらないさ、いや、‥‥変えさせないさ。」
「‥‥そう。」
皇希は、ベットから立ち上がり、欠伸や背伸びをする。
「さてと、行くか。」
「待って!私も行くわ。‥‥それに、そのままで行く気?」
「あ‥‥。」
そう、皇希は寝間着(ねまき)だったのだ。なんともマヌケだった。
「‥‥俺が悪いじゃない!」
「「はいはい。」」
「くそぉ!」
皇希は一人、絶叫していた。すると、織音が優に言った。
「優、数分後に行くから、食堂で待っててくれる?」
「はい、わかりました。」
優は、食堂へと歩いていった。
「皇、着替えるわよ?」
「くそぉ、くそぉ!」
「‥‥ダメね、これは。」
‥‥‥‥
‐数分後、食堂‐
皇希と織音が入ってくる。席は、皇希が“逃亡”直前の席だった。
皇希が真ん中の席に座ると同時に、一言言った。
〈バン!〉
「まず、一言。‥‥皆さんに、迷惑をかけてしまってすみませんでした。」
皇希は、円卓に両手と頭をつけた!すると、梛が喋る。
「皇希君?頭を上げなさい。」
が、皇希は頭も両手も上げなかった。
「‥‥ふぅ。もし、皇希君が帰って来なかったら、私たち、神城家は本気になって貴方を捜しだし、拷問していたわよ。‥‥まぁ、一人は例外がいるけどね。」
梛は誠慈をチラッと見た。その直後、誠慈は目線をそらした。
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「‥‥あ〜、わかった、わかったよ!だから、母さん、そんなに俺を睨み付けないでください!」
「‥‥よろしい。」
「‥‥ちっ!」
誠慈は少しイラつくが、すぐに平常心になる。
「‥‥さて、話を元に戻すわ。私たちの所に戻ってきたという事は、“答え”が決ったっと思っていいのね?」
皇希はやっと、頭と両手を上げ、真剣な眼差しで周りを一回見て、一呼吸し喋った。
「はい。‥‥俺は自分の事を知りたいし、自分自身の“望み”を叶える為に、この“現実(まぼろし)”を受け入れます。」
梛は黙り込む。
「どうかしました?」
皇希は困惑する。