fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-21
「‥‥なんだと!」
「皇希君?俺は、まだ体がないよ?さっきは、君がこっちいたから、出れなかっただけだよ?」
「‥‥‥」
すると突然、結界の中に魔法陣が浮かび上がった。
「織音さん?‥‥皇はいづれ貴女に全てを話します、その時は覚悟が必要かも知れません。」
「‥‥‥」
謎の女性はそう言ったが、織音は無言だった。
「‥‥皇希君?君に後で話す事があるから、ちゃんと復活させてくれよ?」
「‥‥わかってます。‥‥‥」
皇希は、その一言しか言わなかった。
すると、魔法陣が輝き、皇希と織音は消えた。
「これで、あの二人は現実に帰りました。‥‥何故、出てきたのですか?出る必要は無いのでは?」
二人が消えた後、数分後に凰輝は、謎の女性に質問した。
「‥‥記憶を消した筈なのに、皇希は私の事を覚えていた。だからよ。」
「‥‥そうですか。彼は、…………なのですよ?貴女は、知っていますよね?」
「知っているわよ。‥‥だからなの、私には耐えれないの、彼の望みが高すぎるから‥。」
「‥‥それは彼自身がわかってますよ、きっと。」
〈ポツン‥‥〉
水滴が地に着いた音がした。辺りは静かなので、よく響いた。
「泣いているのですか?全てを知っているから、辛すぎて‥?」
そう、謎の女性が泣いていたのだ。
「うるさいわよ、貴方には関係ないわよ。」
「はいはい、黙りますよ。」
「‥‥彼は……で……そ……」
‐現実‐
「っ!ここは?」
皇希は、上半身を起こし辺りを見回す。
すると、隣のベットには織音がすぅすぅと、眠っていた。そして、馴染みのある風景。
そう、ここは神城家である。と、扉が開く。
「あ、起きましたか、皇希さん?」
「優か、‥‥俺が暴走して何日間経った?」
「‥‥四日です。」
「そうか、わかった。済まないな、迷惑かけてしまって。」
「いえ、大丈夫です。」
「ありがとうな。‥‥食堂に皆がいるか?」
「はい。」
「‥‥そうか。」
「‥‥行くの?決意が決まっている事を言いに?」
いつの間にか、織音が起きていた。