fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-18
「くっくっくっ!」
「‥‥なんだ?お前は?」
「‥‥お前を殺しに来た!」
「‥‥そうか、お前が俺をここに封じたのだな?」
「‥‥そうだが、お前は俺によって、今、ここで死ぬ運命なんだよ!」
裏皇希は、いきなり幻想具現化を使い、槍を出し、皇希を刺しにいく!が、
〈ギィン!〉
「ちっ!」
皇希も、片手剣を素早く出し、それで裏皇希からの攻撃を防いだ。二人は距離を取る。
すると、皇希は質問した。
「出来れば、ここが何処なのか、知りたいが?」
「‥‥ふっ、いいだろう。ここは、お前の心の闇と言ったところだな。俺の後ろにある光は、ここからの唯一の脱出法だぜ?」
「わりと親切だな?」
「当たり前さ。どうせ、勝つのは俺で、ここから絶対に出てやる!」
「‥‥そうか。」
裏皇希は、皇希の呆気ない一言で、怒りだした!
「っ!貴様ぁ!‥‥くらえ!」
裏皇希は、槍の原型が変化する程、鋭く速い突きを繰り出すが、
「‥‥あたってはやれない。」
皇希は、余裕でかわした。その直後、皇希は、小さな声で喋った。
「……に……の力よ!…が……い、………こ…よ!……ぶつぶつ……!!」
「‥‥なんだと!お前、何故“それ”を知っている?」
よく聞き取れないが、皇希の詠唱中に、裏皇希が動揺していた。
皇希が詠唱を終えると、裏皇希の足元には、異形の魔法陣が浮かび上がった!
その形は、五行の魔法陣と“何か”が混ざっていたが、よくわからない。
「っ!やっぱり!貴様ぁ!許さないぞ!いつか、きっと!お…前を…こ…ろ…して…や…る!!」
「‥‥‥」
裏皇希は、その異形の魔法陣に吸い込まれていき、皇希はその様子を終始無言だった‥。
しばらくすると、皇希は顔を下向きにしながら、光の方へと歩き始めた‥‥‥。