fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-14
「‥‥なんだ?まだ、生きていたのか?死に損ないが!」
そう、その目線には、立ち上がる皇希の姿がはっきりと映されていた!
しかし、顔が影でよく見えなかった。だが、敵は気にせずに、剣をもう一回降りかぶった。
「‥‥無言か?まぁ、いいさ。すぐに、お前も、コイツと同じように、死ぬだからな!」
〈ヒュ!‥‥ボキッン!‥ブフュウ!〉
「ぐわぁ!な、なんだと!?」
皇希は真空斬を放ったのだ!
敵の左腕が、肘からまっ二つになり、その肘からは、大量の血が溢れんばかりに出た!
「貴様!よくも‥「破壊の意を持つ火よ!その力を示せ!カタストロフィ・メルトダウン!」
「何!?」
辺りは、一瞬にして溶けていく。トンネルのコンクリートが一瞬にして燃え尽き無くなる。
‥‥皇希のダンボールハウスは、刹那的に溶けた。
「くっ!」
「きゃ!」
その灼熱は、敵はおろか織音にさえ、燃やす勢いだった。
「‥‥なんだ?仲間割れか?それに、アイツは自滅か?」
そう、皇希は灼熱の中央にいたのだ。
「っ!まさか!?」
「‥‥おいおい、俺が倒す予定だぞ?自滅は止めろよ?」
その直後、皇希の身体中に火が移る!
「あ〜あ、終わったな!」
敵は、手柄が無いのか、悔しがっていた。
「‥‥な!?」
すると、敵は動揺する。何故なら、皇希の身体中の火が、勝手に自然消滅したからだ!
しかも、その肌には、火傷すらなかったのだ!
「アイツは何者だ!?」
「‥‥‥」
敵は、思わず織音に質問したが、織音は答えなかった。
「おい!なんか言えよ?‥‥っ!何だ!?」
「っ!‥‥やっぱり!」
なんと、皇希の背中から、翼が生えてきたのだ!その翼は、まるで天使の翼みたいだった。
しかし、右翼は白に対して、左翼は黒だった。
すると、髪の色まで変わり始める。日本人の黒いの髪の色が、毛先から徐々に紅く染まっていく。
次に、顔がはっきりと見えてきた。そして、当然の如く、瞳の色も変わる‥‥。
右目は赤、左目は青だった。
「‥‥何なんだ!?お前は!?‥‥くそっ!」
〈ヒュン!ヒュン!ヒュン!‥‥‥〉
敵は驚きを隠せないのか、無作為にクナイを投げる!
〈ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!‥‥〉
しかし、皇希は避けなかった!いや、避けようとしてなかったのだ。
「はぁはぁ、ははは。これで、お前も終わりだな!」
「‥‥‥」
敵は、勝ち誇った顔をした。すると、急に皇希の口が開く。