fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-13
「皇!?」
織音は皇希を抱き上げる。織音は自分の耳を皇希の口に近づけた。
すると、微かだか小さな息がしていた。織音は、安堵の息をした。
「よかった。」
「‥‥おやおや、優しい二人だ。そんなんじゃ、俺に勝てないぜ!」
敵は、二人に剣を向ける。すると、織音が皇希をゆっくり寝かせた。そして、立ち上がる。
「‥‥さない!」
「は?何だって?」
「貴方は許さない!」
「ほう、いいねぇ。今は、側近だが、元四天王の俺が蘇ってくるぜ!」
すると、敵は片手剣を左腕に持ち変えた。そして、右腕はクナイを持つ。
「これが、本来の俺だ!見せかけじゃないぜ?‥いくぜ!」
〈タン!〉
敵は動いた刹那、織音の後ろに立っていた。しかし、織音も負けじと、後ろに振り返っていた。だが、その敵は残像だった。
「なっ!!??」
〈ヒュン!ザクッ!〉
「こっちが正解だ!」
「っ!」
織音は左からの攻撃に反応出来ずに、まともに受けてしまった。
左側の肋(あばら)からは、皇希同様に血が出る。
「っ!はぁはぁ。」
織音は、なんとか体勢を直すが、双剣の先が震えていた。
「おいおい、それで本当に“運命神”かよ?」
「‥‥はぁはぁ、まだ負けてないわ!」
「そうかい、なら終わりだ!」
〈ヒュン!ザクッ!〉
敵はクナイを素早く投げたのだ!
「っ!ぐぅ!」
織音は対応出来ずに、クナイを腹に受けてしまった。
「弱い!弱すぎる!なんだ!本気なのか!」
織音は方膝を地に付き、双剣は地に落ちた。
「まぁ、いい。二人とも、消えな!」
敵は織音の頭を斬りかかる。織音は頭を下げた。
《‥‥皇?ごめんなさい。‥‥》
〈ヒュン!‥‥ピタッ〉
敵は、降りかぶった剣を止める。すると、目線が皇希へと移させれる。