fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-12
「何が可笑(おか)しい?」
「くっくっくっ。何故?‥‥我が主“カオス”様は、コイツをそんなに恐れているんだ?」
「‥‥‥」
〈ヒュン!‥‥ギィン!〉
「当たらないぜ?そんな事をやった所でな!」
「っ!!」
織音は、いつの間にか敵の後ろにいて、クナイを拾って投げたのだ。
しかし、敵は動揺する事なく余裕でクナイを弾き、その直後、織音の後ろに回り、首筋を腕で絞める。
「ぐっ!?」
「俺を甘く見たな?こう見えても、四天王の側近だぜ?」
「ぐぅ!うっ!」
敵はさらに絞める力を強くした。
「止めろ!」
皇希が叫んだ!
「ふふふ、止めてほしければ、力づくで止めるだな!」
敵は皇希を挑発する。すると、織音が喋る。
「くっ!‥‥皇?逃げて!」
「!!??」
「‥‥ほう、そう来たか?くっくっくっ、さぁ、どうする?」
「‥‥‥くそっ!‥‥逃げる訳にはいかないんだ!なら、自分でやり遂げてやる!」
〈タッタッタッ!〉
皇希は敵に対して走る。
「‥‥馬鹿か?」
と、敵は織音の首筋を片手で持ち、自分の前に出し楯にする!
「!!」
皇希は、一瞬立ち止まった。
「その一瞬が命取りだぜ!?」
〈ザクッ!〉
敵は腰にぶら下げていた片手剣で、皇希の心臓を刺す。
「ぶはっ!」
「い、いやーーー!!」
織音は叫び、皇希は、口から血を吐き、心臓の辺りからは新鮮な血が流れ出す!
「‥‥ぐっ!はぁはぁ。」
「ほう、よく意識を保っているな?そうでなけば、俺が弱い者イジメになってしまうぜ!あーはっはっ。」
皇希は、かろうじて意識を保っていたが、立てる状態ではなかった。
すると、敵は剣を構えと思った瞬間、また皇希の心臓を刺す。
二回、三回、四回、‥‥止まる事無く、敵は笑いながら刺した。
皇希の心臓からは、大量の血が止まる事無く出る。
「‥‥っ!もう、止めなさい!」
「‥‥おっと!」
〈ブォン!‥‥スカ!‥ブォン!‥ゴス!‥スタン〉
織音は、敵が皇希に夢中になっている事に気が付き、右足で敵を蹴ろうとした。
しかし、敵は蹴りをかわした。だが、織音は左足で持たれていた手を蹴り脱出した。
着地した刹那、体が残像が残るような速度で、皇希に近づいた。