fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-11
「えっ?」
二本の鋭く速い白線が、二人に捉えて近づく。
〈ヒューン!〉
織音は皇希の後ろから、それを見た。織音は避けようとするが、体が思うように動かない。
「!!??」
〈ギイィン!ギイィン!〉
二回鈍く深い低音が辺りに響く。もちろん、それの音は皇希と織音のバリアーが白線を防いだ音である。
「くっ!」
しかし、織音はその反動を受けきれずに、後ろへと転がり滑っていった。
一方、皇希は後ろから攻撃にも関わらず、その場に立っていた。
「‥‥誰だ?」
皇希は後ろを向くと同時に、低い声で言った。
「‥‥やるねぇ。俺の攻撃を只のバリアーで防ぐとは。」
そう言った“敵”は、ある武器を持っていた。その武器はクナイだった。
そう、いつぞやの皇希を襲った敵だった。
「あれから、お前を倒すチャンスを無くしてしまったよ。しかし!今が、そのチャンスだ!これは、バリアーでは防げない筈だ!」
〈ヒュン!ヒュン!ヒュン!〉
敵はクナイを投げた!
「当たるかよ!」
〈ギィン!ギィン!〉
皇希は素早く片手剣を出し、クナイを弾いた!
「‥‥くっくっくっ!いいのかな?もう一本は?」
そう、残りの一本は、皇希の左の後ろにいる織音に向けられていたのだ。
「くそっ!」
〈ザクッ!〉
「ぐっ!」
皇希は左腕で防ぐ。
「皇!?」
「おお!紳士だなぁ。」
すると、皇希は敵に近き、片手剣で斬りかかる。
〈ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!〉
とても怪我をしていると思えない速く鋭い斬りだった。
〈スカ!スカ!スカ!〉
しかし、敵は簡単に避けた。
「どうした、当たらないぞ?」
「‥‥くっ!」
「‥‥ふふふ、ははは、あーはっはっ。」
敵は急に笑い出した。