fantasy ability・6‐“覚醒”!そして、無意識の中の会話‐-10
その後、特に何もなく三日目になる。
しかし、皇希の顔には日に日に生気が無くなりつつあった。
そう、それはまるでただ生きているだけの機械人形と言っても過言でもなかった。
しかし、時折、無垢な子供の姿を見ている皇希の顔には、絶え間ない笑顔があった。
と、そこに、一つの人影が現れた!
「‥‥皇。」
「‥‥織音か。何しに来た?」
「‥‥貴方を連れ戻しに来たわ。」
皇希は無言で立ち上がった。
「‥‥逃げるつもり?」
「‥‥‥」
「っ!!??」
皇希は無言で司義莉の幻想具現化と似ている銃を出した。ただし、両手だった。
それを、織音の顔に向けながら、皇希は顔色を一つ変えずに構えた。
その銃口の標準は、確実に織音の顔を捉えていた。
「‥‥皇、本気なの?」
織音は戸惑いを隠せなかった。すると、皇希が喋る。
「‥‥動くな!」
「‥‥‥」
織音は目を閉ざした。
《‥‥これが、私の“運命”だったの?そう‥そうよね、私は皇を騙していたから、仕方ない事なのね。それが、例え“真実”だったとしても‥‥》
皇希はゆっくり引き金を引き始める。
シリンダーがゆっくり回転し、場の雰囲気に緊張感をより一層に膨れ上がる‥‥。
〈ズキュン!‥‥〉
「ぐわぁ!」
その声は、織音の遥か後ろ、数百メートルから聞こえた。
「えっ!?」
織音は、慌て後ろを見た。
その目には、後ろで倒れている“敵”がいた。その敵は、霧と化し消えた。
織音は、その直後に顔を皇希へと戻した。
「‥‥こ、皇。」
「‥‥‥」
皇希は依然として、無言で織音へと、標準を定めていた。
「それが、皇の“答え”なの?」
「そうだとしたら?」
「‥‥私は何も言わないわ。」
すると、皇希の両手の銃が消える。
「‥‥織音、俺はもう“逃げる”という事はしたくない。」
「どういう事?」
皇希は、突然的に腕を動かした。
その行動は、指先で空中に一般的な魔法陣である五行を描(えが)いたのである。
それが、描かれた瞬間に皇希と織音の周りには、半透明の結界が張られた。どうやら、バリアーらしい。
「一体、何をしているの?皇?」
「‥‥‥」
〈‥‥ズキュ―ン!〉
織音が言った直後の音だった。