Endless-2
やがて、
凄まじい激痛が腹部を襲う。
きぃぃぃ……というはかなく弱々しい叫びがあたしの喉から飛び出した。
痛い痛い熱い痛い熱いイタイ…!
死にゆく灰色の樹が、ゆさゆさと嗤う。
びくびくと躰を震わす痙攣はすぐに消え、そしてあたしは
あっさりと 死んだ。
「………ん…」
目を開く。
やっぱり変わり映えのない、馬鹿みたいに澄んだ空。
土手に横たわるあたし。
ゆるゆると掲げた手は…
――もちろん人間の手。
視界の隅には、枯れ木に刺さる子兎の姿。
「なんだ夢か」
小さく舌打ちした。
時計を見る。
まだこんな時間。
まったく今日は時間の流れがひどく緩やかだ。
あたしは再び瞳を閉ざした。
目蓋を開く。
再び襲い来る百舌鳥。
あたしは宙に釣りあげられ、嗤う枯れ木に飾られる。
ほと奔る激痛。
擦れる叫び。
やがて意識は落ち…
また目覚め、強烈な眠気に襲われ沈む意識。
激痛、絶叫、睡魔、覚醒、激痛、絶叫、睡魔、覚醒…
えんえんと繰り返される悪夢の螺旋。
「ひぃぃ……!」
あたしの声にならない絶叫が繰り返される。
狂った時計軸に捉われたあたしの悪夢が繰り返されてゆく。
いや、狂っているのはあたしだろうか。
…始まりは、
何の変哲もない日常の
何の変哲もない午後だった。