今は。そしてこれからもずっと・・・-1
プロローグ…導入夢〜夢の始まり〜
例えば、欲しいものがあるとする。
しかし、どうやってもそれが手に入らない時、
どうすればいいのだろうか。
僕は、どうすればいいのだろうか…
「…わかっていたことだよ。」
「こうなるって事は。僕がピエロだって事は。」
「だけど、そのことに気付いていない振りをしていたんだ。辛い現実を認めるのが嫌で。」
喋り始めた僕を紅い夕陽が赤色に染め上げていく。
それは僕の心から吹き出した血のような紅だ。
「蒲乃菜ちゃん・・・僕は君の事が好きで、君なしでは生きてはいけない、なんて思っていたんだ。
でも、君はそんな僕を、僕の思いに怯えるんだね・・・君のためになら死ねると思っていた僕は・・・
君を護るんだとおもっていた僕は、君を怯えさせていたんだね・・・。・・・ならいいよ。・・・もういいよ。」
「…ならば打とう。僕にまつわる全ての事柄に最後のピリオドを。」
僕は走った。蒲乃菜の向こうにある鉄のフェンスへ。