今は。そしてこれからもずっと・・・-12
深夜の街の上を俺は飛んでいった。
そして人を見つけては殺していく。
簡単に壊れる人。
咲き乱れる花々。
楽しい。愉快すぎる。
生き物の命の炎がこれほどまでに芸術的だとは…
生き物の悲鳴がこんなにも心に響くとは…
人間の時には知りえなかった感覚だ。
しかし、これは蒲乃菜の奴を堕とす前の前座的な物に過ぎないのだ。
「ふふふ…ふひゃひゃああああ…!!!」
暗く広がる空に向かって俺は叫び声のような笑い声を上げた。
夜明け。
漆黒の闇も朝日に駆逐され始めて明けの明星が姿を現す。
鳥の囀りと朝露に濡れる木々の葉。
血でべとべとになった指をぺろりと舐めると、口に苦い鉄の味が広がる。
身体にまとわりついていた少し前まで人だった肉の塊を無造作にどさりと地面に投げ捨てた。
「ふう…」
今までに何匹殺しただろうか。
途中までは数えていたのだが、途中で止めた。
人間は、殺しても殺しても湧いて出て来る。
数だけは、立派なものだ。
「さて…前座もそろそろ終わりだ。」
俺は、メインの舞台を準備をすべく、まだ薄暗い大空へと飛び立った。