俺と俺様な彼女 〜5〜-1
「先輩は休みの日は何してるんですか?」
「本を読んだり合気道の練習をしたりね。」
「ああ、合気道やってたんですよね。」
「数馬は何してるの?」
「まあ、漫画読んだりゲームしたりテレビ見たりですね。」
「典型的な現代っ子ね。」
「ほっといてください。弟さんとは遊んだりしないんですか?」
「何であんな生意気なガキと遊ばなきゃいけないのよ。」
「はは。そういや先輩って誕生日っていつなんですか?」
「明後日。」
「はっ?」
「聞こえなかったの?明後日よ。」
「えっ?えぇぇぇーーーー!?!?」
〜地球滅亡の危機〜
「ちょっ、先輩、何で言ってくれないんですか!?」
「何でいちいちあんたに言わなきゃいけないのよ。」
「いや、だってプレゼントとか…」
「いいわよ、別に。それに家族が祝ってくれるし。」
「そんなぁ〜。」
「…なら、数馬も家に来る?」
「へ?」
「そうすれば数馬も文句ないでしょ?」
「いや、それは…」
「私は別にどっちでもいいけど。」
「…行きます。」
「という訳なんだ。助けてくれ。」
「助けてくれって言われてもなぁ。あの先輩がどんなの欲しがるか想像もつかねえし。」
「そんなこと言わずにさ、一緒に考えてくれよ。」
「大体、明後日ってなんだよ、明後日って。」
「しょうがねえだろ、俺も今日知ったんだからよ。」
「なんで付き合ってんのにそんなことも知らねえんだよ!まずそこがおかしいだろ。」
「うるせえなぁ、何の気なしに聞いたら開けてびっくり玉手箱だよ。」
「まあ、終わってから知るよりもましか。」
「そうそう。」
「つってもなぁ、月宮先輩だろ?普通だったら小物とかぬいぐるみとかだろうけどよぉ。」
「あの先輩がんなもん欲しがると思うか?」
「思わねぇなぁ。」
「当たり前だ。先輩がぬいぐるみとか好きだった日には、地球なんざまっぷたつに割れてしまうわ。」
「じゃあ、アクセサリーとかだろうなぁ。」
「アクセサリーかぁ。やっぱそうだよなぁ。」
「まあ、最終的に決めるのはお前なんだから後は自分で頑張れ。」
「ああ、わかった。明日必死こいて探すよ。」
「けどさ、先輩の家族ってどんな人達なんだろうな?」
「わかんね。先輩みたいな性格の人がいないことを祈るよ。」
「いたらたぶんお前死ぬだろうな。」
「笑えねぇよ。」
「まっ、頑張れ。骨は拾ってやるよ。」
「一言余計だ。じゃあまた明日な。」
「さて、と。デパートにきたはいいが何にすっかな。」
こういう時何買えばいいんだろ。先輩に常識はあてはまらねえしな。
「ま、ぶらぶら探すか。」
「ん、なんだこれ?」
馬?牛?いや羊か?でも猫にも見えるしな。マジで何のぬいぐるみだ?
「こんなもん買うやついんのかよ。」
っと、そんなこと考えてる場合じゃねぇや。え〜と…
「これいいな。先輩も前欲しいみたいなこと言ってたし。」
値段は…買えんこともないか。よし、これにしよう。
「後の問題は先輩の家族か。」 ある意味一番の問題だな。