円満堂・逆ハーレム【2】-2
「おぉっ!姉貴の登場だ!」
「姉貴も行くんすか!」
「俺の後ろに乗りませんか!」
アタシって姉貴なの?!
下からは申し分のないライトアップ。
さしずめ気分は、完全包囲された犯人だわ。
そこに見えるは、8台位のバイクと2台のパトカー。
おい参仁!!
一体、何の補習なんだ!!!
保健か?体育か?!持久走か!!
…頭と目が、そして心が痛い。
アタシは、そっ…と窓とカーテンを閉めた。
「やべぇっ、逃げろっ!!」
……土曜日で良かった…。ゴミ出しが無い…。
ガチャ…
「!!」
いきなり聞こえたドアが開く音。
そこには……
「…なっちゃん…。」
黒のダウンとジーパンに身を包んだなっちゃんが立っていた。
「どっか行くの?」
「あぁ。」
こんな夜中に?と思いつつ、アタシは口を閉じた。
なっちゃんの目が、腫れているのを見てしまったから。
「一緒に…行って良い?」
そう尋ねると、なっちゃんは驚いた顔した。
そして、顔を背けて言った。
「帰りたくなっても無理だから。」
………意味深発言?
それは、どういう……?
とにかく、アタシは上着を羽織ってスカートのまま外へ出た。
後悔するとは知らずに………――。