最悪の幸福-4
2人が完全に裸になると、アルノンはまずシャミールを呼んだ。
壁際にシャミールを誘導する際、すぅっと部屋が明るくなっていった。
アルノンが照明を調節したらしい。
そこはがらんとしてはいるものの普通に生活出来そうなくらい整った部屋だった。
予想した通り、手枷や足枷、ベルトのついた椅子、鎖などが点在していたが、痛そうな体を傷つける物は見当たらない。
アルノンは壁についている手枷と足枷にシャミールを繋いだ。
シャミールは立ったまま大の字になり、蝶の標本よろしく張り付け状態にされた。
アルノンは張り付けられたシャミールの目の前にベルト椅子を置き、ジェリアンに手招きした。
ジェリアンは素直に近寄っていく。
「座りなさい。」
ジェリアンはその椅子に腰掛けた。
椅子の足の中程には前方に突きだした板がある。
ジェリアンはアルノンによってその板に足を乗せられ、ベルトで固定された。
更に太股にもベルトをつけ、それを鎖で繋いで背もたれの後ろで固定した。
ジェリアンは椅子の上でM字開脚の状態だ。
「自慰の経験はあるかね?」
アルノンが後ろから乳房を弄びながら訊ねる。
「あ…はい…。」
ジェリアンも恥じらいながら答える。
「何回くらい?」
アルノンの指が乳首を摘む。
ジェリアンの体がビクン、と反応した。
「んっ…3回、くらい。」
自慰以外の初めての快感に耐えながらジェリアンが言うと、ふむ、と言ってアルノンは手を離した。
「取り敢えず陰毛を処理しよう。これもトッティ家の女性全てがする事だ。」
アルノンはジェリアンの前に屈むと、陰毛を短く切り、白色のクリームを塗った。
ジェリアンは恥ずかしくて堪らない。
「強力な脱毛剤だ。1回の処理で永久脱毛が出来るのだよ。少しヒリヒリするかも知れないが、暫く我慢するんだ。」
アルノンはそう言うとジェリアンの陰核にクリキャップをつけ、テープでキャップにローターを固定した。
「まだ刺激に慣れていないからな。一番弱い振動から始めよう。」
アルノンが言い終えた瞬間、ローターが振動を始める。
「あァ…!!いやぁっ!!」
吸引され、充血した陰核がローターによって震わされる。
膣内が収縮を繰り返すのが判る。
「く…あぁ!ひっ!!」
ジェリアンの足はガクガクと痙攣し、指先に力が入る。
「クリームが浸透するまでの辛抱だ。」
アルノンはそう言い放つとジェリアンに背を向け、シャミールの陰核を摘んだ。
「あんっ!!」
シャミールは体を仰け反らせた。
「シャミールもあれが欲しいのか?」
アルノンは親指と人差し指でシャミールの陰核をこねながら聞いた。
「ふぁ…お父様ぁ!シャムにもローター下さいっ!!」
シャミールは腰をくねらせておねだりした。
「仕方のない子だ。」
アルノンは嬉しそうにそう言うと、シャミールの陰核の根本を糸で縛り、2つのローターで陰核を挟み込む様にしてテープで固定した。
そして振動を強に設定し、スイッチをONにした。
「あはあぁぁっ!!」
シャミールがビクビクと体を引きつらせる度に、ローターに挟まれた陰核が切なげに揺れる。
「さて…暫くそのままで居なさい。私は仕事が残っているからね。1時間くらいで戻ってこよう。」
そう言うとアルノンは振り返りもせず部屋を出ていった。
室内には張り付け状態のシャミールと、M字開脚状態のジェリアン、2人の喘ぎ声が響きわたる。
「あぁぁ…っ!!イク!駄目ぇ…!」
先に根を上げたのはジェリアンだった。
やはり刺激が強すぎたらしい。
「ひぁ…あ!あ!あぁーーーー!!」
ジェリアンは椅子が倒れそうなくらい仰け反って果てた。
しかしだからといって振動が止まる訳ではない。
絶頂を越えた陰核は更に充血し、はちきれんばかりに勃起する。
その敏感になった陰核を、容赦なく刺激するローターとキャップ。
「いや…止めてえぇっ!!」
誰にともなく苦しみを訴えるが、振動は相変わらずジェリアンの陰核を揺さぶる。
どう足掻いても逃げられない。
ひたすら耐えるしかないのだ。
そんなジェリアンを潤んだ瞳で見つめながら、シャミールは1回目の絶頂を迎えた。
そしてジェリアンと同様、絶頂を越えてなお続く快感に眉根を寄せ、切ない吐息を洩らす。
(あぁ…何だかいつもより感じる…!)
シャミールは確かに普段より高ぶっていた。
母親が他界してから、この地下室でたった1人幼い性器を弄ばれてきたのだ。
目の前に人が居るだけでこんなにも違うとは。
シャミールは朦朧とし始めた意識の中で、10年間孤独を味わった姉を憐れみ、そして誓った。
もうジェリアンに孤独な思いはさせない、と…。