【理科室】-1
いつからだろう
気になり出したのは
いつからだろう
目を合わせられなくなったのは
いつからだろう
想いに気付いてしまったのは
【理科室】
『ねぇ、涼は彼女いるの?』
出会った日、誰かが先生に言った言葉。
それは遠い記憶で、
だけど、私の中から消えない。
『あぁ、いるよ。』
たった。
たったそれだけの言葉。
たったそれだけの言葉なのに。
なのに
今になって胸が苦しくなる。
全身で
好きだって
叫んでる。
今でも、まだ、ずっと。
「チャイム鳴ったよ!早く行かないと涼プンプンなっちゃうよ!!」
私のお決まりの台詞。
次に化学の授業がある時の。
「待ってぇ〜」
こんな声を出されたら嫌とは言えない。
それに、私1人だけ先に行くのも不自然だし。