【理科室】-4
そんな想いが身体中を巡っている中、他の生徒達は口々に、
「のろけかよ」
とか、
「面白くな〜い」
とか…
本当、そうだよ。
面白くない。
のろけないでよ。
それでなくても辛いのに…。
先生なんて届くはずのない人に恋をして、
この思いをどうすればいい?
皆が教室に帰って行く中、私は1人席を立てないでいた。
それに気付いた先生が、
「月?どうした?」
って。
声を掛けて貰って嬉しいはずなのに、何故か涙が溢れそうで。
『お前、月っていうんだ!俺の彼女の猫と同じ名前。』
いつか先生が言ってた。
それから私を名前で呼ぶようになったんだ。
だけど今は、その事実が
とても悲しくて
「月?本当に大丈夫か?
しんどい?どっか痛い?」
あまりに心配そうな声を出して聞いてくるから
「大丈夫だよ。
全然、大丈夫。」
って答えてしまった。
本当は大丈夫じゃないのに。
本当は心が痛いのに…