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【理科室】
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【理科室】-2

理科選択授業

化学・物理・生物

この中から自分の意志で1つ選ぶ形の授業。

私は、迷う事なく、
化学を

涼を選んだ。





やっと用意が出来た佳奈と2人で急いで理科室へと向かった。





「遅い!
5分遅刻で欠席って言っただろ。」


あぁ、今日は機嫌悪いな。

いつものやり取りなはずなのに、
声を聞いただけで分かってしまう自分に嫌気が差す。



「ごめんなぁさい」

いつも通りに謝って、
いつも通りに席に着く。
涼から1番遠い、奥の席に。

だって

だって、あなたの側にいると、
あなたの一言一言に一喜一憂している私に気付かれてしまうんじゃないかって、思ってしまうから。




「きり〜つ、礼」
全員が揃ったのを見て、委員長が号令を掛けた。

「はい、おはよう」

これが先生の口癖だ。
それに対して私と佳奈はいつものように

「おはよう、涼」

すると先生は、

「お前ら本当にガキだよな。
小学生相手にしてるみたい。」

いつもこんなやり取り。
小学生って・・・
相手にされてないんだなぁって痛感する。
だけど、それ以上にかまってもらいたくて。
本当にガキだなって自分でも思う。


「教科書47ページを開いて、昨日の続きから。」

今日は雑談なしでいきなり授業に入ってしまった。
もっと喋りたいのに。
そんな私の心情も知らずに後ろを向いて黒板を書き出してしまった。


先生知ってる?
あなたの後ろ姿を見つめる
私の視線を。
まともに見る事なんて出来ないから、
せめて後ろ姿だけでも
私の脳裏に焼き付けておきたい。


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