伊藤美弥の悩み 〜受難〜-1
ぬちゃぬちゃといういやらしい音が響き、伊藤美弥はくぐもった声を上げた。
「んぐ、ふうううううーーーんッッ!!」
上半身に取り付いた少年は美弥の唇を熱心に吸い立て、舌を絡めて弄び、制服の上から乳房を荒々しく揉んで性感を刺激する。
下半身に取り付いた少年は敏感な個所を舌で熱心に舐めしゃぶり、潤み切った蜜壺の中を指で掻き混ぜていた。
「すげ、甘くて、いい匂い……」
少年は美弥の髪に鼻を埋め、ふんふんと匂いを嗅いでいる。
「おいしいま○こ……こんなの、初めてだ……」
もう一人の少年はまさしくジュースのように大量に溢れ出る液体を、喉を鳴らして飲んでいた。
「ああ、も、駄目……」
美弥の呟きを、少年は聞き付ける。
「駄目?じゃあ……」
下半身に取り付いた少年は、舌なめずりをしながらズボンを落とした。
「ヒッ……!!」
ひどく膨脹し、びくびくと脈打つそこだけ別の生き物のような物体に、美弥は息を飲む。
「ぅぐ……」
それのいきり立ち方に、美弥はショックを隠し切れない。
「こいつで、今から物凄く気持ち良い目に遭わせてやるからな」
何故に主人公が冒頭からこんなとんでもない目に遭っているのか、説明せねばなるまい。
伊藤美弥の従兄は、化学の教師をしている。
勤務先は、とある私立高校。
美弥の通学先も、その私立高校。
つまり、二人は同じ学校にいた。
従兄――田坂稔は、昔から人体実験の大好きな男だった。
一番の被害者は何と言っても伊藤貴之と美弥の従兄妹である。
幼い頃から思い出したくもない程色々やられて来たが、今回ばかりは美弥も頬を引きつらせていた。
「な……何これ?」
丸底フラスコの中でこぽこぽと気泡を出す、異常に鮮やかなクリムゾンレッドの液体。
それに対してたった今信じられない説明を聞かされた気がして、美弥は乾いた声を出していた。
「これを飲むと体が一ヶ月の間フェロモンを出し続けてくれるという、夢のようなお薬だ」
夢は夢でも悪夢である。
暗澹たる気分に陥った美弥に気付かず、稔は嬉々として説明した。
「フラスコ一本分が、一ヶ月分。中和剤の類は作っていないから、全量飲めば一ヶ月効きっ放しだ。これならきっと、お前にも男が出来るぞ」
大きなお世話である。
「産まれてから十六年。彼氏いない歴も十六年。従兄として、そんな人生は寂しいだろうと心配してるんじゃないか」
真面目な顔でそう言い切る従兄に、美弥は冷たい眼差しを向けた。
絶対嘘だ。
「……」
こんなとんでもない言動をかましてくれる癖に、稔当人には物静かで美人の恋人がいるのである。
「さあ、飲め。薔薇色の未来が待ってるぞ」
「やかまし。いらん。帰る。」
すげなく答え、美弥は踵を返した。
そのまますたすたと、部屋の出入り口へ向かって歩き出す。
「そうは問屋が卸すかあっ!!」
ざしいっ!!
「のぁわやあがどうあぁっ!?」
背後からまともに諸手刈りを食らい、美弥は転倒する。
「ふっふっふ……人が粉骨砕身して作り上げた本当に効く代物を、『いらん』の一言で片付けるとは……どうあっても、こいつを使って貰うぞ」
暗い口調でそう言うと、稔は美弥の下半身を開かせた。
「なッ……何すんのよこの変態いいいいいっっ!!!」
スカートをめくられ、淡いピンクのショーツが露になる。
「人聞きの悪い事を言うな!粘膜吸収が一番良く効くんだ!」
「なら飲ませれば良いじゃないっ!!口だって粘膜でしょっ!?」
一時的なものだろうが、転倒する際に頭を打ったせいで口は動いても体が動かない。
稔に、されるがままだ。
「趣味も兼ねてるっ!!」
「何の趣味よこぉのド変態いいいいいっっ!!!」
絶叫も虚しくショーツを膝までずり落とされ、美弥は恥ずかしい部分を覗き込まれる。
「毛の生え方は上品だし、色合いも色素が沈着していないからいい感じだな。自信を持って男に見せ付けてやれ」
「人のま○この品評を、くそ真面目な声でやるなあああああっ!!!」
「おいおい、ま○こなんてでかい声で叫ぶなよ」
稔は指で美弥の秘唇を割り広げ、亀裂の奥へとぷとぷと液体を注ぎ込んだ。
「んいッ……!」
まるでアルコールを注ぎ込まれたような奇妙な焦燥感と共に、子宮や膣壁からじわじわと液体が吸収されていく。
「あ……んく、ふ……」
フラスコ一本分を一回で注ぎ切れるはずもなく、液体は数度に分けて注ぎ込まれた。
子宮を中心とした下腹部全体にじんわりした熱と奇妙な焦燥感が広がり、美弥は身悶えする。