伊藤美弥の悩み 〜受難〜-3
膨らみからすると、小さく見積もってもC……いや、Dか。
ボリュームの割につんと上を向いている、形の良いおっぱいだ。
十年ばかり前……一緒にお風呂へ入った最後の日には、洗濯板に爪先程の大きさをした淡いピンクの乳首が乗っているだけだったのに。
「ぐぅ……」
なまじしっかりと観察してしまったために、欲望が暴走を始めた。
「……み、美弥。酒、付き合えよ」
「えぇ!?」
「どうせ親父は何も言わないし、お袋は朝帰りだろ?酔ったら介抱してやるよ」
貴之は立ち上がり、リビングの戸棚からグラスを二つと焼酎のボトルを取って来る。
「一人で飲むのは寂しいしさ」
「……仕方ないなあ」
美弥は冷蔵庫から、ペットボトルの烏龍茶を持って来た。
ついでに、マドラーを持って来るのも忘れない。
グラスに烏龍茶の焼酎割りを作り、兄妹は乾杯した。
「……ぷぅ」
「いい飲みっぷりだ。さ、もう一杯」
空になったグラスへ、貴之がもう一杯作る。
少し、焼酎の濃度を高くして。
美弥が調子に乗って三杯四杯と重ねるうち、グラスの中身は烏龍茶の焼酎割りから焼酎の烏龍茶割りへと確実に変化した。
「ん〜……」
貴之の邪な狙い通り、美弥はふらふらし始める。
「おやおや。少し酔ったみたいだから、ソファで横になれよ」
思い切り棒読みの口調でそう言い、貴之はふらふらしている美弥をリビングのソファに寝かせた。
横になっていくらもしないうちに、赤い顔をした美弥はすうすうと寝息を立て始める。
ごきゅっ……
生唾を飲み込む音が、異常に大きく感じられた。
震える指で、唇に触れてみる。
ふっくら。しっとり。とろり。
そんな形容が似合う、柔らかな唇。
貴之は美弥の上へ乗り、無防備なそれに自らの唇を重ねる。
蕩ける甘さが、脳髄を痺れさせた。
顎に手をかけて口を開かせ、隙間から舌を滑り込ませる。
甘い唾液を啜り、歯や歯茎を舐め回し、舌をねっとりと絡める。
背徳の悦びが、背筋を走り抜けた。
キスを中断し、美弥の着ているシャツを脱がせる。
シャツの上から見た通りの、ピンクの生地に白いレースをあしらったブラジャーが現れた。
ぎょくんっ……
喉が、大きく鳴る。
美弥の背中へ手を回し、ブラジャーのホックを外した。
ボリュームのある両の乳房。
ベージュピンクの乳首と、慎ましやかな乳輪。
何とも美味しそうな胸が、呼吸に合わせてプルプルと揺れている。
貴之は腕を通してブラジャーを脱がせると、シャツで美弥の手を頭上へと縛り上げた。
胸に顔を埋め、ふんふんと鼻を鳴らす。
みっちりと中身の詰まった膨らみは、貴之の顔を柔らかく受け止めた。
「ん……」
いよいよ乳房を愛撫しようかというその時、美弥が声を上げる。
「!」
貴之は、文字通り飛び上がった。
「ん……」
美弥はもぞもぞと動き、寝相を変える。
「脅かすなよ……」
貴之は舌を出し、美弥の乳房をぺろりと舐めた。
「んッ」
ぴくん、と美弥が反応する。
「感度良いな……」
嬉しくなって、貴之は少し大胆に舌を使い始めた。
「っん……あふ……ん、んうああう……」
眠りながら、美弥は身悶えする。
貴之は自らの唾液でねとねとになった美弥の乳房を揉み捏ねつつ、首や耳や頬へ舌を這わせた。
「ん、はぁ……」
上半身を唾液で覆う程に舐め尽くした貴之は、いよいよ美弥の下半身へと歩を進める。
ショーツをショートパンツごと脱がせると、最も魅惑的な部分が姿を現した。
「毛、薄いな……」
貴之は、思わずそう呟いた。
一つまみあるかないかという程度の秘毛は、ぬらりと光る亀裂を隠すのには、全く役立っていない。
すべすべした太股を抱え、充血して赤みを帯びた淫裂を、貴之は舌で割る。
「うぷッ!」
噎せてしまう程の甘い匂いと共に、とろりとした液体が口中へ流れ込んで来た。
「んッ…………?」
体に加えられている快感にようやく気付き、美弥は目を覚ます。
「…………お兄ちゃんっ!?」
酔いも一気に吹っ飛んで、美弥は叫んだ。
「な、何してるのおッ!!?」
貴之は答えず、隠されていた小粒を舌で探り当てる。
「きゃうっ!?」
探り当てられたそれを舐めしゃぶられ、吸い立てられ、美弥の肢体が跳ね踊った。
「ああ嫌止めてっ!!あ、駄目、何かっ……!!」
兄の口元へ大量の蜜汁を吐き掛けながら、美弥は叫ぶ。
「いっ、あ、あああああっ……い、や、やだあああああっ!!」
全身を痙攣させ、美弥は絶頂を迎えた。