伊藤美弥の悩み 〜受難〜-15
ちゅく、くちゅっ、ちゅる……
「っん、んむ、ふ、うぅ……」
龍之介の舌が口腔内で蠢く度、背筋をゾクゾクしたものが走り抜けた。
それに合わせて唇から、甘い声がこぼれる。
ディープキスで下腹部に熱が蓄積され、美弥の体に変化が起きた。
「あ……」
淫唇の奥から温かい液体が溢れ出すのが感じられ、美弥は狼狽する。
「い、嫌だった?」
龍之介にそう尋ねられ、慌てて首を横に振った。
「いや、そうじゃなくて……その……服、脱いでいい?」
下着を濡らしたくない一心で飛び出た言葉だったが、これではいかにも物慣れた女のようだ。
「ほ、ほら!制服、よれちゃうし……」
慌ててフォローするが、美弥は内心自己嫌悪に陥る。
「……そうだね」
龍之介が、美弥の制服に手をかけた。
「あ……!?」
龍之介は手を動かし、あっという間に美弥を産まれたままの姿にする。
「り、龍之介……」
そして自分も服を脱ぎ、美弥に全てを見せた。
「わ……凄い……」
鍛え上げられた肉体は言うに及ばず、腰の中心で垂直にそそり立つ代物が美弥の目を引く。
龍之介の逸物は垣間見た兄のそれより、数段立派だった。
先太りした黒い幹の長さと太さは言うに及ばず、もたげた鎌首がぐうっと迫り出していて、あそこで中を擦られたら文句なく気持ち良いだろうと思わせる。
かといってビール瓶サイズ程で、女性が敬遠したくなる訳でもない。
「……あんまりじろじろ見ないで」
その言葉に、美弥は好奇心を刺激された。
「じゃあ、触る」
龍之介は、間抜けな声を出す。
「え?」
美弥は体を起こして手を伸ばし、亀頭に触れた。
ぬるっとした液体が美弥の掌につき、龍之介は腰を引く。
「あ……感じる?」
指の腹で濡れた亀頭を優しく撫で回すと、龍之介は喉から呻き声を漏らした。
「感じるんだ……」
「……もしかして、遊んでない?」
「そうじゃないけど……面白い」
均整の取れた龍之介の体の中で、そこだけが別の生き物のように熱く、脈打っている。
「熱いね、龍之介……」
美弥は目を閉じ、そっと顔を寄せた。
「うわっ」
ぺろっ……
数年ぶりに味わう柔らかな舌の感触に、龍之介は腰を引く。
「気持ち……悪い?」
「いや、そうじゃなくて……気持ち良すぎて、すぐ出そうだから……」
美弥は微笑み、それへ愛しげなキスをする。
「いいよ。出して」
舌が、敏感な部分を優しく擦り上げ始めた。
「っく、ふ……あ!!」
肉筒が脈動し、美弥の顔へ青臭い液体を振り掛ける。
「わ……ごめん!」
龍之介は慌ててティッシュを重ね、美弥の顔を拭い始めた。
龍之介が顔を綺麗に拭き終えると、美弥がニコニコしている。
「……何?」
「こういうの、した事なかったんだけれど……龍之介が感じてくれたのが、嬉しくって」
龍之介は赤面した。
「……真顔でそういう事、言わないでくれ」
美弥の事を、ますます可愛く感じてしまう。
「美弥が感じさせてくれたから、今度は僕が感じさせてあげる」
龍之介は美弥をベッドに寝かせ、眼鏡を外して枕の脇に置いてから胸の膨らみに顔を埋めた。
片方の乳房を優しく揉み捏ね、もう片方は唇と舌で愛撫する。
「ッん!」
美弥の体がぷるぷると震え、龍之介はくすりと笑みを漏らした。
ちょっとの愛撫で、乳首は限界まで立ち上がっている。
「敏感なんだ……可愛いよ、美弥」
龍之介は舌と唇で、交互に乳首を愛でた。
「やっ、あ……あんっ!」
背筋を電流が走り抜けているような感覚に戸惑い、美弥は愛撫を押し止めようとして龍之介の頭を押す。
だがその程度でぐらつくような柔な鍛え方をしていない龍之介は、ますます激しく舌を使った。
「やああっ、駄目、駄目えっ……!!」
美弥の反応を見守りながら、龍之介は空いた掌を脇腹やお腹に滑らせる。
先にイカされて体が少し落ち着きはしたが少々悔しい立場へ立たされた龍之介は、愛撫だけで泣き悶えるくらいにしてやろうと発奮していた。
「あっ……り、龍之介えっ!駄目、おかしっ……!」
龍之介は、胸への愛撫だけで乱れる美弥の耳元へ囁く。
「おかしくなって、美弥」
「そ、そんっ……っっ!!!」
美弥の全身に、痙攣が走った。
「胸だけで軽くイッたみたいだね……嬉しいよ」
美弥の頬へキスをし、龍之介は恋人の足を抱え上げる。
そして後転をさせるように、足を投げ出させた。