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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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伊藤美弥の悩み 〜受難〜-10

家へと帰るため、二人は電車に乗り込んだ。
電車内はそこそこ混んでいて、座席は満杯である。
仕方がないので二人は人から離れた車両の隅に陣取り、色々とお喋りをしていた。
龍之介と一緒にいると話題が次々と飛び出して来て、本当に飽きるという事がない。
「やだ、それ本当?」
「本当さ。大真面目」
龍之介の話に美弥が笑いこけていると電車が停まり、次々と人が乗り込んで来た。
「わ」
「何かのラッシュにかち合ったか……失敗したな」
龍之介は素早く美弥を隅に立たせ、自分の体で美弥の事をガードする。
電車内で痴漢に及ぼうとする不埒者が、いるだろうから。
――ここまでは、良かったのだ。
たちまちぎゅう詰めになった人に押され、龍之介は美弥へ体を押し付けてしまう。
「ご、ごめん……」
「ううん。気にしなくていいから」
龍之介を気遣って美弥はそう言ったが、心臓が早鐘を打ち始めた。
普段は服に隠れて分からないが、さして身長の変わらない美弥の事をやすやすとお姫様抱っこした事からも分かるように、龍之介の体はけっこう鍛えてある。
体を押し付けられると鍛え上げられた胸板や引き締まった腹部が服の上からでも分かって、どぎまぎしてしまうのだ。
特に股間はきつそうに張り詰めて……。
「っ!?」
美弥は思わず龍之介の顔を見た。
龍之介は、頬を紅潮させている。
美弥のフェロモンが効かないはずの少年は……勃起していた。
「あ……」
「か……体、くっついちゃってるもんね?そのせいでしょ?」
美弥は、慌ててフォローする。
ホッとしたように、龍之介は頷いた。
龍之介の胸板が美弥に分かるという事は、逆を言えば龍之介には美弥の柔らかな膨らみが押し付けられているという事なのである。
今日は少し胸元の開いた服装をしていたので、量感と共にビジュアル面もばっちりだった。
しかも美弥は、決して魅力のない女の子ではない。
性欲旺盛なお年頃の少年に、この状態で興奮するなと言う方が無理だろう。


生理が終わった直後は美弥にとって一番性欲のない時期なのに、体が疼いて仕方ない。
「っあ……あん……りゅ……け……」
美弥ははっきりと、龍之介をおかずにして自慰に耽っていた。
偶発的に押し付けられた腰から感じ取った、龍之介の淫茎。
あの形を思い返すだけで、蜜壺がぎゅっと収縮する。
龍之介が欲しい。
「りゅ……けぇっ……龍之介えっ……!」
(エッチな美弥)
頭の中に、妄想の龍之介が現れた。
(僕に何をして欲しいの?)
「あぁっ……龍之介っ……龍之介のおち〇ち〇、いやらしいおま〇こにっ……欲しいのっ……」
(いいよ)

ぢゅぷ……

差し込んだ人差し指と中指を、淫裂が激しく食い締める。
(入れたよ。けどその後どうして欲しいか言わないから、これだけね)
「やあぁ……そんなぁ……!」
(何をどうして欲しいのか、ちゃんと言わなきゃ伝わらないよ?)

くちゃ、ぷちゅ……

蜜が次々と際限なく湧き出し、美弥の事を煽った。
「お……なか……」
(ん?)
「お腹の中、めちゃくちゃになるまで掻き回してイカせて……」
(うん。良く分かった)
妄想の龍之介は美弥の頬にキスをすると、激しく腰を振り始める。
「っあああああああああ!!」
美弥は吊りそうになるほど激しく指を動かし、絶頂を迎えた。
「はぁ……」
発情がおさまると、罪悪感が湧き上がって来る。
「だから何で龍之介と……あ〜、やっぱり好きになっちゃったのぉ!?」
枕を抱え、じたばたと身悶えする美弥。
「でも……龍之介もちゃんと、ああいう反応するんだ……」
期間限定で身に付いたフェロモンのせいで自らの欲望に忠実な男の姿しか目につかなかったから、それに左右されない龍之介の存在は、美弥にとっては驚きだった。
ところが今日は、その少年が欲望を初めて露にしたのである。
「お兄ちゃんのに比べても、かなり立派だったような……って、そんなの比べてどぉするうぅっ!?」
再びじたばたする美弥。
「あ〜、このまんまじゃエッチっていうのシャレになんないわよぉ……」
悶々としたまま、夜は更けて行く……。


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