無銭湯記スパゲッチュー 〜復路〜-8
第28話 『天才の天災』
毎度の事ながら、フィリスの素行には眼に余るものがある。
いかに強力な魔法が使えるからと言っても、こう毎回毎回ぶっ倒れられていたんじゃ、たまったもんじゃない。
俺は街でも有名な天才魔法科学者の『シュタイペック3世』博士を尋ねる事にした。
博士は言う。
「つまり強力な魔法力がいっぺんに出ないよう、制御する道具を作ればいいのだよ」
ほうっ! さすがわ天才博士、話が早い。
博士は早速、怪しげな魔石を幾つかテーブルに並べ、
「この魔石を使って、魔法を抑えるアイテムを作るとしよう」
そう言った。
俺は博士に尋ねた。
「つまりどうすればいいんですか!」
すると博士。
「強力な魔法を相殺するよう、アイテムの持つ魔力も強力にする必要があるじゃろう。とりあえずはこの魔石を10個、いっぺんに繋いで、どれ程の魔力が高まるか実験じゃ。君ぃやってみたまえ」
それって乾電池を直列に繋ぐようなものだろうか?
まあ〜とりあえず、俺は博士に言われたとうり、魔石を縦に繋げてみた。
すると。
強烈な閃光があたりを照らし出したかと思うと、天才魔法科学者の『シュタイペック3世』博士の館は、爆発して粉々に吹き飛んでいた。
つづく