無銭湯記スパゲッチュー 〜復路〜-17
最終回 『大団円?』
「ふん、ふふん、ふん…… もう直ぐ夕ご飯が出来ますわよ!」
俺は久しぶりに自分の町『アーパータウン』に帰って来ていた。
あれからどうしたかって。
悪党を倒した俺達は、王様にご褒美(ほうび)をたらふくもらったんだ。それを元手にレオニードとレイモンドは商売を始めたりもする。なんでも『キャスターロッド』の特許をとって、大量生産して売るつもりだったらしいが。そんな物フィリス意外に使うやつなんか居なくて、全然売れず大赤字を出したらしい。
俺はどう言う訳か『旅芸人』の花形芸人だなんて持てはやされる事となり、爺さんや婆さんにモテモテだったりもするが、友達にはばかにされっぱなしさ。
フィリスは実家を勘当されて行く当てが無いとかで、俺の家に居着いちまった。なんでそうなるかなぁ、俺は迷惑だ。
「ちょっとー! これ、あたしのーぉ!!」
「何言ってるんだよ! お前2匹も食べたじゃないかっ!」
レオニードとレイモンドは、毎度おかずの取り合い。
「はいはい、ケンカしないの。まだありますわよ! ユグンも早く食べないと無くなりますわよ!!」
こいつ(フィリス)もすっかり、主婦してるしぃ。
そんな様子を見て俺の母親が言い出しやがった。
「しっかし驚いたよ。旅行へ行くって出かけて以来、どこで何をやって来たやら。お前が嫁さんと子どもを連れて帰って来るなんてねぇ」
だからそんなんじゃねえよぉ!
「そうだ! 結婚祝いに良い物をあげようね。これで新婚旅行にでも行っといでよ」
そう言って母は俺に古文書の様な、何やら外国の文字で書かれた紙切れを手渡してきたではないか。
紙切れにはこう書かれている。
『鬼怒川温泉無料招待券』
!!!
「また何処かへ出掛けるんですの!?」とフィリス。
「行こー! 行こー! 冒険へ行こう!!」とレイモンド。
「これでまた、大儲け出来そうだね!!」レオニードまで。
そして三人、声を合わせて。
『冒険の旅へ、レッツゴー!!』
ユグン「止めてくれぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜っ!!(泣)」
おわり