Message〜僕らの未来へ〜-1
──2007年 1月7日
まだまだ冷え込みが続く冬。
降り積もった真っ白な雪は太陽の光に反射して、キラキラときれいな銀世界をつくり出している。
【午前 11時10分】
「──よ〜し、みんな集まったかっ??」
『は〜い』
30余名の新成人たちが、とある学校のグラウンドに集まっていた。
大きな木の前で、円を描くように立っている。
中心には1人の中年男性。
白髪もそこそこ、ニカッと笑うときれいな白い歯が見える。
俺ら30余名の──中学時代の担任。
俺たちはみんな、小学校から中学校を共に過ごした仲間たち。
いわゆる同級生と言うやつだ。
そして最後に、今俺たちがいるのは、母校の敷地内。
成人式を終えた一同は、この場所に集まった。
学校のシンボルともいえる、大きな桜の木。
春になれば、きっときれいなピンクの花が咲き誇るのだろう。
集まった目的はただ1つ。
──タイムカプセルを掘り出すこと。
5年前
それぞれが、未来の自分へ送った手紙。
それを1つのカプセルに詰め込み、この場所に埋めた。
何を書いたかなんて、今となっては覚えているはずもない。
でも、その時を生きていた俺たちからの、確かなメッセージ。
今日、それを確かめるため、俺たちは集まった。
「確かこの辺だったな!!よし、みんな掘ろうぜ!!」
当時のリーダー的存在でもあった久保が先生と共に指揮をとる。
昔から爽やかな好青年で、成人式で久しぶりに見たスーツ姿は、更に爽やかさをかもしだしていた。
相変わらずだった。