Message〜僕らの未来へ〜-3
「はい、これお前の手紙な」
そう言って渡された1枚の封筒。
《未来の自分へ》
そうタイトル書きされてあった。
ははっ。
相変わらず汚い字だな。
1人苦笑いをしながら、手紙を開く。
5年前の俺は、20歳の俺にどんな言葉をくれるのだろうか。
俺は少し、緊張していた。
『未来の自分へ
こんなことを書くのは俺の性格に合わないけれど、どうせあんたと俺しか知らないのだから好きに書こうと思う。
未来のあんたは、今何をしている?
何か夢を見つけただろうか。
そうだとしたら、負けず嫌いの俺のことだから、きっと今も自分の夢に向かってるんだろうな。
いや、もしかしたらあきらめるようなこともあるかもしれない。
俺はまだまだ子供だから、先のことなんて読めないし、分からない。
ただ1つ。今のあんたが、後先考えずに夢を追いかけてくれていることを願う。
レールにはまらないでほしい。
それが多分、正しい歩き方。
あんたの生き方を、信念を胸に。
頑張れよな!!これからの俺っっっっ。
追伸
御子柴さんに告白するのは、お前に任せる。どうも俺は苦手みたいだ。それじゃ』
…ばかな俺。
何書いてんだか。
恥ずかしさからか、それとも誇らしさからか、自分でも分からないが不思議と笑いが込み上がる。
「──みんな〜、写真撮らない?!久しぶりにさっ」
「いいね〜撮ろう撮ろう!!」
みんなが木の前に並び始める。
俺も、手紙をポケットに入れると揃って整列した。
1人写れなくなるからと、わざわざ通り掛かりの人を捕まえてくる女子たち。
…なんか、いいよなぁ。
しみじみと感じる俺。
久しぶりに再会した仲間は、大人びていて。
変わらないところもあれば、変わったところも。
でも、みんな元気で良かった。