Message〜僕らの未来へ〜-2
手分けして掘り始める。
期待を胸に、ポイントを絞り掘り進む。
意外にも5分程で、スコップの先に妙な感触を感じた人がいた。
「──あったあった!!これだよみんなっ!!」
満面の笑みで手を振り、みんなに合図をする。
中学では3年間、どちらかと言えば地味で目立たなかった小池さん。
5年前の彼女とは、今は全く違う。
あんな素敵な顔で、笑うんだな。
彼女の笑った顔を見たのは、きっとみんなもあまりないんだろう。
誰も言わなかったが、彼女のそんな姿にも、みんなの口元が綻ぶ。
土の中から引き上げたそれは、タマゴ型、銀色で50cmくらいの大きさ。
みんなが思い思いに書いた言葉が記されていた。
──今日は運命の日だな!!
──20歳になったら会おうね!!
──みんなだ〜いすき!!
「なつかしいなぁ…」
当時の自分たちを思い、懐かしむ。
みんなのテンションも上がってきた。
そして、いよいよ本題へと移る。
「じゃぁ早速開けるぞ」
先生が言った。
息を飲んでその様子を見守る俺たち。
ゆっくりとカプセルのフタを回し開いていく。
開けると同時に、おーっというみんなの歓声。
拍手も重なった。
──中にあったのは、全員分の手紙と全員で撮った1枚の写真だった。
肩を組んで並んでいる。
先生も若いし、うちらもまだまだ幼さがある。