恋人達の悩み8 〜文化祭〜-12
久方ぶりに五感で味わう、恋人の肢体。
巴の目を盗んで唇を貪り合う事はあっても体に触れる機会はあまりなかったため、龍之介の興奮は並大抵ではなかった。
「ん……んん……」
こく、と美弥の喉が動く。
口腔内を舐めずり回す龍之介の舌が、唾液をたっぷり送り込んでくるのだ。
飲み込まなければ溢れ出し、滴って周囲を汚してしまう。
「ふ……」
たっぷり時間をかけて美弥を貪った後、龍之介は唇を離した。
目を閉じたまま、美弥は何度か深呼吸する。
その頬はうっすらと上気し、激しいキスに対する感想を物語っていた。
龍之介は、半開きの唇を再び塞いでみる。
「んん……!」
ひく、と美弥の肩が震えた。
その手が、龍之介の肩を掴む。
切なそうに眉を歪めつつ、美弥は龍之介をたしなめた。
「息、くらい……させてよぅ……」
鼻にかかった囁き声では、とても抗議には聞こえない。
「そんな事言うのは、このお口かな〜?」
龍之介は再び、美弥の唇を塞ぐ。
息もつけないくらいに激しく貪りながら、龍之介は制服を脱がせた。
それから背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。
腕を通してブラジャーを剥ぎ取ると、龍之介はようやく唇を離した。
はふはふと空気を貪る美弥を、龍之介はベッドに寝かせる。
「ん……!」
抗議しかけた美弥だったが、龍之介が首筋にキスを落としたためにできなかった。
たっぷり唾液を乗せた舌で、龍之介は首筋をねぶる。
「ん……!ん……!」
か細い声を上げながら、美弥は右の人差し指を噛んだ。
「駄目。怪我するよ」
噛んだ指を取り、龍之介はそこをぺろりと舐める。
そのまま、手の甲へ唇を落とした。
「で、でも……」
腕に降るキスの雨に体をびくつかせながら、美弥は言う。
「声……」
「みんな後夜祭出てるよ。気にし過ぎ」
そう言って、龍之介は耳たぶを優しく噛んだ。
「んっ……!」
いい声で鳴き始めた美弥の乳房に、龍之介は手の平を置く。
乳首が硬く尖っているのに気付き、青年は微笑んだ。
「あン……!」
硬いそれを軽くつまんで揉み扱くと、美弥は眉を寄せる。
「ん……!」
片方を刺激しながらもう片方に吸い付くと、美弥は首を振った。
舌先でそれを転がして、龍之介はその感触を楽しむ。
「ん……んん……!ふ、んん……!」
ベッドシーツを握り締め、美弥は喘いだ。
組み敷いた体が……いや腰が、もどかしそうに揺れている。
それに気付いた龍之介は、ショーツの中身に注意を転じた。
するりと中に指を侵入させ、足の間に割り入れる。
「ん!」
指先がぬめる感触に、龍之介はほくそ笑んだ。
「何だ、もう濡れてるんだ?」
体の状態を揶揄された美弥は、ふるっと首を動かす。
龍之介は満足げな忍び笑いを漏らし、ショーツを脱がせた。
「ん……」
指に纏わり付く淫唇の感触を楽しみながら、恋人の唇を塞ぐ。
「んふ……んむ、む……ん……」
首に腕を回してすがりつき、美弥はキスへ必死に応えた。
「ん……んん……んうぅうう!」
たっぷりと愛液を纏わり付かせた指が二本、いきなり蜜壺へ突き立てられる。
龍之介は片手で淫唇を楽しみながら、もう一方の手でしがみつく美弥を抱き寄せた。