代わりでもいい。。。-1
『ずっと……好きだったんだ。
その・・・付き合ってもらえないかな…///』
・・・・・。
『悪ぃ。ほかに…好きな奴がいんだ。だから……』
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
『・・・うん、知ってる。言ってみただけだって!
っていうか、本気にしないでよ・・・
バッカじゃないの?』
『おっまえなぁ〜。
んな、くだらねぇ冗談のために呼び出すなよ・・・』
『あっ、ははは・・・』
中庭の大きな木の裏側。
昼休みに、いつもの場所で昼寝をしていたら、今日は…珍しく人が来た。
2人の男と女で…その2人は、俺も良く知ってる人たち。
つまり、今…俺の目の前では、知り合いの恋愛事情が繰り広げられているわけだ。
今……俺の目の前には…
滝先輩と好きな人・・・・・
[代わりでもいい。。。]
「はぁ〜。
涼くん・・・出てきて良いよ」
俺の部活の先輩…滝島嵐士が行ってしまったあと、俺たちテニス部のマネージャーである本郷里美は、俺を呼んだ。
柿原 涼…
柿の木坂中学1年、テニス部員……俺の名前だ。
俺は、少し驚いてから……素直に出て行く。
「里美先輩…気付いてたんッスか?
その……俺がいたこと」
「うん、まぁね。
でも……滝は、多分気付いてないよ…」
「・・・・・・スミマセン」
先輩の悲しそうな笑顔を見て、俺はそっと頭を下げた。
「別に良いよ。涼くんが悪いわけじゃないんだし。
それに…聞きたかったわけじゃないでしょ?」
そう言ってくれる先輩の言葉に、俺は安堵した。少しの感謝もした。
だけど…そう思うより、何よりも先に……叫びたくなった。