代わりでもいい。。。-3
そんな人を困らせるなんて……出来るわけなくて。
でも……そんなこと、もう関係ない。
俺はもう、黙っていられない。
「先輩…どうして、滝先輩に言っちゃったんッスか?
明日から…その……気まずくなるだけなのに……」
少しだけ、声が震えそうになる。
それを抑えて先輩を見ると、先輩は辛そうに……俯きながら考えてた。
「うん……なんでだろうね。…もう、限界だったのかも。
一方的に好きでいるのは…辛いから……」
そう言うと同時に、先輩の目から、涙が零れ落ちた。
………っ!!
その瞬間、俺は……何も考えられなくなった。
“グイッ”
気が付くと……俺は、先輩を引き寄せて、抱きしめてた。
「えっ!?ちょっ……涼くん!?」
驚く先輩の声なんか、聞こえない。
……いや、聞こえないフリをして、その小さな体に回す手に力を込める。
「どうして……どうして、滝先輩なんッスか。
なんで…俺じゃないんッスか!!」
何言ってるのか、自分でもわけわかんないけど……もう、止まらない。
「ねぇ、俺にしてよ。そしたら、絶対に泣かせたりなんかしないから。
こんな風に…傷つけたりしないからさ……」
お願いだから・・・・・
泣かないでよ………
「ダメだよ……涼くん。いくら、同情したからって…そんなこと……」
「同情なんかじゃないッス。ずっと…好きだったんッスから……」
もう…あとには、引けない。
「ダメ……ダメだよっ!!」
先輩は、俺を押し退ける様にして体を離した。
その表情には、焦りと困惑の色。