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壁時計
【熟女/人妻 官能小説】

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壁時計-19

窓の外には、木々の緑が太陽の光に透かされて一層美しく見える。茉琳の前に片膝を抱えて座る男の端正な顔の半面が、くっきりと映し出されていた。漆黒の髪に、濡れたような黒い瞳、そして褐色の肌。二人がこんなふうに二人だけで対面するのは、何年ぶりかのような気がした。彼の名はボンボンという。B**国人の夫の普段の呼び名である。茉琳は何度か夫に本名を聞いてみたことがあるが、長い上に発音が難しく、聞くたびに違っているように思えた。

「愛してる。マリン、わかってくれ」

 ボンボンは、茉琳の部屋の玄関を入ってきたときから、哀願するように何度もその言葉を繰り返した。繰り返さなくても、よくわかる。ボンボンの話の内容は、単純だった。腕のいい美容外科医であるボンボンは、日本で働きたいと思っている。しかし、B**国の医師免許を持っているだけでは、日本で開業できない。日本で試験を受けて免許を取り直すか、日本の指導医の下で臨床修練医となるかだ。ただし、どちらも日本語の壁が立ちはだかっている。
 ボンボンは、一度は誠意をみせた。茉琳が生計を支え、ボンボンは日本語の習得に励んだ。しかし、B**国やほかのいくつかの国に行けば、数多くの手術をこなしてたくさんの収入を得ることができるのだ。養ってもらっている妻への引け目もある。そのうち、知人から「どうしても」と頼まれたから一度だけ、ということで始めた海外での手術が、二度、三度と続き、ついには何ヶ月も続いての外出になり、どうしても茉琳と離れている時間が多くなってしまった。
 茉琳はB**国に住んだこともある。しかし、同居した家族の中にはボンボンの「妻」もいた。もとはボンボンの兄嫁だったのが、兄が死んだのでしきたりに従いボンボンの妻になったという。茉琳はそこでは第2夫人のような扱いだった。土地の水に慣れなかったのは、茉琳のわがままのせいだったかも知れない。しかし、精神的に参ってしまい、茉琳は1年足らずでそこを離れた。愛し合っているのにどちらの国でも暮らせない二人は、出口のない暗い洞窟の中でさまよい歩き、やがてお互いを見失ってしまった。

 茉琳は、別れ話を切り出した。以前でも電話でそういう話をしたことがある。しかし、ボンボンは納得しない。愛しているのに、愛し合っているのになぜ別れなければならないのか、と言い立てる。

「私、ほかの男とたくさん寝た。レズ行為もした。私の躯は汚れている。あなたにふさわしくない」

 茉琳がそう言うと、ボンボンは小首をかしげた。

「じゃ、マリンの躯、見せて。マリンのこと、よく見てみたいんだ」

 ボンボンの言葉に応えて、麻のワンピースを身につけた茉琳は、立ち上がった。室内に入ってくる穏やかな陽光が全身を包む。床の上に座った夫は、その光景を見て目を細めた。

「そうやって立っているマリンが、一番綺麗なマリンだね」

 夫の言葉に、思わず笑顔になってしまう茉琳。

「脱いで」

と命じるボンボンに

「うん」

とうなずいて、後ろの髪をかき分けジッパーに手を掛ける。ゆっくり引き下ろすと、背中が割れ、白い肌が現れた。夫の視線を浴びながら腕を交差するようにしてワンピースの肩先の部分を掴み、一気に脱ぎ捨てる。

「ワーオ!」

 ボンボンは感嘆の声を上げると、ランジェリー姿の茉琳をしげしげと眺めた。

「マリンからオーラが出ているみたい」

 そう言って、夫はベッドに腰を掛けた。

「おいで!ゆっくり、回って」

 ピンクパールのランジェリーを身につけた茉琳は、ボンボンの注文どおり、一歩一歩を踏みしめながらスローダンスをするようにベッドに近づいた。最後に、夫に手を取られてベッドに上がった茉琳は、たちまち抱きしめられた。

「ボンボン、もう、カチンカチン」

「私もすっかり濡れてるわ。ああ、待って……ねえ、ボンボン」

「何?」

 茉琳の首筋にキスの雨を降らせながら、くぐもった声で夫が尋ねる。

「ボンボンと私の、初めてのときのこと、覚えてる?」

「うん。バストのペッティングでいっちゃったんだ」

 ボンボンは、ブラジャーから半分以上はみ出している茉琳の乳房の膨らみをなぞるように撫でた。それは自分の手で、自分好みに、丸みを強調した形になっている。

「あのときは、とてもちっちゃなだったけど、すごく感じてた」

「そう。あのとき、私、初めて女に生まれてよかったと思った」

「なんか、照れるなぁ」

 そう言いながら、夫は茉琳のブラジャーを取り去った。そして、形よく熟れた乳房の谷間に顔を擦りつける。

「うん。んんん……」

 二人はベッドの上に横になった。上になった夫が茉琳に熱烈なキスをする。その間にも、片手は茉琳のパンティの中に入り込み、妻の花園の濡れ具合を確かめようとしていた。


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