壁時計-18
「うん……かっこいい」茉琳は驚嘆した。「触らせて」
ディルドに初めて触れた茉琳は、その感触にびっくりした。
「わあ、すごーい……初めからこんなに勃ってるなんて」
春奈は顎を引いて、笑みを浮かべた。そして、
「さあ、マリン、四つんばいになるのよ」
と声を掛けた。
「なんだか、こわい」
茉琳は言われた姿勢を取りながら、後ろを振り返る。ディルドにコンドームを装着した春奈は、ベッドに上がり、膝をついて近づいてきた。
「大丈夫、乱暴にしないから」
春奈は片手を茉琳の腰に置き、もう一方の手をディルドに添えて体勢を整える。
「あ、ああ、あーーっ」
固い先端が濡れそぼった秘壺にニュルニュルと進んでくるのを感じて、茉琳は声を上げた。
「痛くない?」
春奈が尋ねる。
「うん、大丈夫。でも、これ、すごい……はぁあうっ、どんどん奥に入ってくるぅ」
蜜壺の中をえぐられる圧迫感、挿入感に、茉琳はクラクラきそうだった。
やがて、茉琳の丸い尻肉に、春奈の熱い肌が触れる。
「マリン、あなた全部呑み込んじゃったよ」
「ハーちゃん、これ、すごい。……あっ、何、これ、ああっ!」
ブーンという軽い羽ばたきのような音が聞こえたかと思うと、肉壺の中でディルドがクネクネと踊り出す。襞なす媚肉をなおも分け入ろうかというその動きに、茉琳は本能的に春奈から逃れようとした。しかし、春奈は予想していたのか、茉琳の腰を掴み、渾身の力で引き戻そうとする。 茉琳は手を交互に前に出そうとするが、むなしくそれは宙を切り、最後にベッドカバーを鷲掴みにして顔をベッドに埋めた。直後に茉琳は頂点に達してしまい、背中を何回も弓なりに反らせ、腰を左右に振った。
不意に、腰を支えていた春奈の手が外れた。蜜壺から糸を引いてディルドが抜けると同時に魂まで抜き取られたかのように、茉琳は不格好な姿で、ドサリと俯せにベッドに横たわった。間欠的に押し寄せる痙攣に手足を振るわせる茉琳。春奈は膝立ちのまま、目をギラギラさせながらその姿を見つめる。その片手は股間で悩ましく動き回り、もう片手は乳房を揉み乳首を擦り上げていた。
快楽の渦が徐々に引いていく中で、茉琳は、低く喘ぐような声を耳にした。目を開けると、春奈がベッドの上に尻をぺたんとつけてうずくまり、自分を慰めているようだ。股の間からディルドが勃起し、身を捩らせていた。
「ハーちゃん」
茉琳は春奈を抱きしめ、二人は並んでベッドの上に寝そべった。茉琳が春奈にキスをすると、春奈は積極的に舌を差し入れてきた。茉琳もそれをチュウチュウと吸ってやる。そして春奈の躯の隅々まで愛撫しながら、唇で柔肌に刻印を押していった。春奈は恍惚とした表情を浮かべている。
「ハーちゃん、これ、取っていい?」
茉琳がディルドの根元を指で挟んで軽く揺すると、春奈は目を閉じたままうなずいた。手を伸ばしてリモコンスイッチを切る。
自分の愛液でたっぷり濡れたディルドを手にした茉琳は、再び春奈と肌をぴったり密着させる。相手の膝の間に自分の膝を割り込ませて股間を開き、相手の躯の上に乗りかかる形になった。腕を二人の躯の間に這い込ませ、ディルドの先端を花園の入口に当てる。プックリ膨れた厚い花弁も十分に濡れており、ディルドは蜜壺の中へと滑り込んでいく。茉琳は頭をのけぞらせる春奈の首の下に空いている方の腕を差し込んだ。
「そうよ、マリン、もっと奥へ突いて」
春奈は潤んだ瞳を茉琳の方へ向けて懇願した。望みどおりにしてやると、春奈は茉琳の背中に爪を立てて歓びを伝えた。
茉琳は、徐々にその器具に慣れてきた。だんだん動きも大胆になり、ストロークを長くとって抽送し、あるいは大きくグラインドさせる。
「そう、マリン、上手よ、やめないで」
春奈はそう言うと、ディルドと肉壺が紡ぎ出す蜜の快楽に没頭するかのように、下唇を噛み、額に皺を寄せた。
ビチャビチャ、チャプッとたっぷり溢れる愛液が立てる音が、部屋に響く。堪えきれなくなった春奈の嬌声が、それに重なった。