会者常離。アウモノツネニカワレルサダメ。-1
ハジメマシテ。
理由なんていらなかった。
出逢いに理由なんて。
訳を求めればきっとギコチナイ始まりになってしまうから。
僕らはそんな他愛もない言葉を幾つか交わしながら、それでも始まってゆくんだ。
アリガトウ。
何度言えるかな?
ゴメンナサイ。
素直に言えている?
そして……
サヨウナラ。
ハジメマシテから始まってサヨウナラまでの距離。
距離は無限じゃない。
わかってるよ。
わかってるけど、知りたくない。
僕らまだ道のりの途中だから。
あとどのくらい君を見れるのか、どのくらい言葉を交わせるのか。
どのくらい…
季節が幾度流れても、
朝が夜に移り変わっても。
この気持ちに色がついて淀んでしまっても。
錆付いても。
君に出逢えた。
たくさん笑って
たくさん泣いた。
正確には
笑い合って泣き合った。
歩幅を短くしたら少しでも君といられるかな?
そんなことばかりが胸を焦がしているんだよ。
ダケドワカレハカナラズ。
アウモノツネニカワレルサダメ。
それは哀しいことだけど。
暗闇じゃないと思えるようになった。
もしも無限だったらどれだけうれしいだろうか。
でもそこに意味はあるのか?
途切れない映画を見続けられるのか?
終わらない季節を飽きずに愛しく思えるのか?
終わるから意味がある。
そこに様々なものが、様々な感情が生まれてくるんじゃないかな。
サヨウナラまでの距離。
大切な大切な貴方との時間。
哀しむことはないから。
昨日を大切に。
今を抱きしめて。
明日を夢みよう。
願わくはこのひとときが少しでも、ほんの少しでも永くあるように。
明日君に会ったら
アリガトウを伝えよう。
理由なんていらない。
あるがままに。