手紙〜言えなかったさよなら〜-2
俺が弱虫でどうしようもなかった頃
あなたと俺の歩幅は同じだった
だからどんなにどれだけ歩いても
俺はあなたを見失わなかった
かけごろの部活を始めてから、俺は部活が大好きになった。だけど、忙しくて家帰って来る頃にはバテバテで、なのにバアチャンは夜にまでやってきて俺に勉強しろって言ってたよね。俺はちょうどその頃からさ、バアチャンって存在がせからしく(うっとうしく)感じてきてたんだ。
こっからは、ちょっと小説っぽくなるけど、我慢して下さい。
気付けば俺はバアチャンを無視するようになっていた。休みの日、当時俺の部屋は家の二階の奥にあるが、バアチャンは重い足を無理に上げて俺の部屋に来てたりしてた。やっぱり言うことは勉強しろだのかけごろは頑張っているかだの、中学生の休日中には聞きたくないことばかりだった。俺の返事も「うん。」の一言。俺のそんな冷たい一言を聞くためにバアチャンは無理をしていた。廊下ですれ違っても俺はバアチャンを無視した。話かけたり挨拶したりするとせからしいから。中?になって俺には後輩ができた。俺はなぜか後輩とカナリ仲良くなって後輩はたまに俺の家に来たりしていた。ある日、後輩がバアチャンの口調を真似して、「先輩のバアチャンうけるよね」って言った。その時も俺は「いや、全然。あのババァちょっと頭おかしいからさ。」って苦笑いしながら言った。
幼い頃は近かった親子の距離は
歩幅と共に開いていって
いつしかあなたを見失っていた
あなたはそれを知りながらも
前向きに俺を見守っていた
その全ては空回りじゃないよ
気付いた頃にはもう手遅れだったけど
俺にそれが届いたことには
変わりないのだから…
…………ごめん。
中?になってしばらくしたら、俺は陸上部の副部長になった。
それから数日後のことだった…
俺は最近バアチャンの調子が悪いので、なんとなくバアチャンの家に行った。ついでに小遣いでももらおうかと思っていた。
………………!!
バアチャンが廊下で壁に手をつきながら止まっていた。今にも倒れそうだった。
昨日まで元気だったのに…
なんで………?