手紙〜心閉ざしたダチへ〜-1
最近日本全国でイジメの問題が大きく取り上げられている。イジメってなんだろう…きっと関わったことのない人間にとってはうわべだけの知識でしかないだろう。正直このイジメという問題は知識しかない人間が口を挟むのは間違いではないかと俺は思う。集団で人をイジメてしまう人間のことを考えたことがあるだろうか?最初の一人が気に入らないと思い、それに一人、また一人とそれに合わせるように乗っていき、それに発展してしまうと、シンプルなものであることには違いない。だが、これこそが現代の悲劇とは言えないだろうか…。自分の考えに、自分の意志に自信がないからなのか、すぐに人の真似をしてしまう。現代の子供達が一番考えないといけない所、一番見直さないといけない所、それは自分自身の考え・意志であり、行いであるのではないだろうか。俺が言いたいことを辛口に言えばオリジナリティの無い人の真似ばかりをする人間のどこに価値を感じるんだ?マニュアルなんてものは電化製品の説明書だけで充分。人の考え方とか価値観にマニュアルはいらない。オリジナリティが人を活かし、人を生かすものではないだろうか。自分を出せない子供に言いたい。このまま人の真似ばっかりしてたら、後悔するのは君自身なんだよ。これはあくまで最近のニュースを見て言った俺のつまらない感想。
さて、なぜ俺が急にこんな事を文にしたりしたのか。それは俺自身の体験を、俺自身の後悔を、君自身の視点で見てほしかったから。君自身の価値観で感じてほしいと思っていたから
……これは、実話に基づいて作られた話です
なぁ、覚えてるかい
俺とお前は少年時代ずっとダチだったんだよ
いつも一緒に遊んでたんだ
お前から見た俺がどんな風に映ったのか分からないけど、俺から見たお前はいつもスゴく寂しそうだった。だけど俺をちゃんとダチとして見ててくれて、何度も何度も助けてくれた。
なのに俺はお前を助けてやれなかった
それどころか………
【手紙〜心閉ざしたダチへ〜】
俺は小学校に入るまで友達ってのがいなかった。周りはみんな敵だった。入学式に見た周りの連中も敵にしか見えなかった。遊び相手っつったらバアチャンとアニキくらいだった。笑顔を自由にふるまえたのも家の中くらいだった。
そんなんだから入学式から数日たってもブスっとした態度で誰にも話しかけることはなかった。ホントはスゲェ話しかけたかったのに。
ある日、俺に一人の少年が話しかけてきた。少年は当時チビだった俺から見て、とても大柄で穏やかな顔つきをしているくせに、どこか冷めた目をしていた。
それがMとの出会いだった
俺とMはすぐに仲良くなった。初めてできた友達だった。友達ってこんなものなのかと、新しい感覚に毎日が楽しくなった。