俺と俺様な彼女 〜2〜-2
「自覚はしてるよ。」
「まあ、いくら月宮先輩でも好きでもない人と付き合うとは思えないから、元気出しなさいよ。」
「ああ。」
「案外あれじゃねえの?ほら、今流行のツンデレってやつ。」
「付き合って一週間たつけどいまだにデレが見当たらないんだけど。」
「一瞬だけ表れてたとか。」
「はぐれメタルかよ。」
「っと、やばい。チャイム鳴った。一時間目なんだっけ?」
「古文よ。」
「寝るか。」
「そうだな。」
「結衣、ノートよろしく。」
「死んでいいわよ。」
俺に味方はいないのか・・・。
〜放課後、帰り道〜
「ツンデレねぇ〜。」
「何?」
「いえ、なんでもないっす。」
「そう。そういえばそろそろ期末試験だけど、数馬は成績どのぐらいなの?」
「まあ、普通です。平均あたりをさまよってますよ。」
「顔も性格も普通だし、典型的な凡人ね。」
ぜってぇツンデレじゃねえよ。ツンで純度100%だよ。少しはバファリンを見習え。
「そういう先輩はどんくらいなんですか?」
「この前の実力テストで8位だったわ。」
「まあ話の流れ的になんとなく予想してましたけどね。」
今わかった。この世に神様はいねえ。不公平すぎる。
「でも最近結構寒くなってきたわね。」
「俺は暑がりなんで今ぐらいがちょうどいいですけど。」
「私は寒いのよ。」
「さいですか。」
「でも私、手袋って嫌いなのよね。あんまり毛糸って好きじゃないのよ。」
「あー、なんとなくわかります。俺もあんまり好きじゃないんですよね。」
「・・・」
「・・・」
バシッ!
「いてっ。えっ、今何で俺殴られたの!?」
「鈍いのよ!彼女が寒くて、手袋がしたくないって言ってるんだから、手ぐらいつなぎなさいよ。」
えっ、なに、俺が悪いの?なんかすっげえ理不尽な感じがするんだけど。
「ほら、手。」
「わかりましたよ。」
「・・・」
あっ、先輩少し顔が赤い。・・・てことはこれってデレか!?一週間たってやっとデレ登場したよ、憲一。お前の予想大当たりだ。保奈美先輩ツンデレだよ。
「・・・素直に手つなぎたいって言えばいいのに。」
ミシッ、ギギギ。
「ぐぉあああ、せ、先輩ギブギブ手がゆ、歪んで・・のぉあああ!!!!」
「今度舐めたこと言ったら二度と箸がもてなくなると思いなさい。」
「す、すいません。」 こえぇ。いつか死ぬな、俺。
「まったく・・・」
「・・・」
「・・・」
「あったかいですか?先輩?」
「・・・ふん。」
まっ、いっか。