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底辺の唄。
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底辺の唄。-1

携帯。ゲーム。家電。ペット。靴。アクセ。服。玩具。ブランド。音楽。映画。車。
家。
………………。
塗れている物物物物物物物モノモノ。

時と共に風化してって意味を価値を無くしていくモノ。
モノに縛られている。
モノが支配する社会。

他人の目、声、価値観。
人によく見られたい?
満足したい。
見せびらかす為のモノ。


人は生涯、モノの為に生きて働き、手に入れ使い、
そしてなくす。
始まりがあれば、同じく終わりも。
そんな中、何の為に生きる。
曲がる価値観。
物質社会に囲まれて生きるおれたち。
価値忘れ生きる。
他人が決める価値で生きる。
あの頃の唄を口ずさむ。

学生時代趣味でラップをよく作っていたっけ。

あの時は重みを知らなかった。
両親が護ってくれてた。
そんな事にも気付かず浪費生活。
当たり前の食事、家、遊び…………。
実は
当たり前じゃなかった。

それがわかったのは20年後。
立ち上げた会社が潰れた時。
経営者としておれは順風満帆だった。
増える利益、金、娯楽。
それに溺れて汚れきった。
それがすべてだった。
人と比べて生きてきた。
他者との、そして他社との比較でしか測れない自分。
自分て何なんだ。
他人ていう鏡を通さない限り映らない虚像なのか?
打算の中で駆け引き貫く。ヌクヌク生きてきたおれは甘かった。
勝算なく惨敗。
協賛されることなく独り善がり。
これじゃ誰もついてこない。
日昇らず撃沈。
甘くなかったリアル社会。バーチャルゲームとは違いすぎる。
遊びで始めた仕事が足枷。稼ぎもしないで浴びる酒。そんな結末。
倒産。
スジも通さずおれは逃げる。


とにかくおれは全て捨てて逃げだした。
行き着いた公園で生活する。
此処では全て年功序列。
肩書き一切役にたたない。隅で細々と小さくなる。
先輩たち皆
一目散に夜逃げした。


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