fantasy ability・5‐“覚醒”へのcount down‐-8
〈ガチャ〉
「あれ?まだ、起きていたの?」
織音が入ってきた、‥‥どうやら、風呂上がりのようだ。織音の体から湯気が出ていた。
「‥‥いや、悪夢でも見たようだ。それで起きてしまった。」
「‥そう?まぁ、いいわ。‥‥寝た方がいいわよ?」
「なんで?」
「‥‥なんとなく♪」
「‥‥‥解った、お休み、織音。」
「‥‥お休み、皇♪」
‥‥次の日は、全身筋肉痛だったが、素振りは強制的にやらされた。‥‥‥‥イタイし、キツイ‥‥‥
‐鍛練開始から、一週間後‐
「なぁ、皇?知っているか?最近、この近くで殺人事件が多発しているぞ。」
クラスメイトの一人が話し掛けてきた。因みに、光先輩の頃からクラスに打ち解け、馴染んできた。
「ああ。知っているさ。なんでも、いきなり斬られるとか。」
「ああ。そうだ。‥‥情報によると、うちの学校の生徒が大半らしい。」
「なんで?」
「知らないが、なんでも、
『かみしろこうき、‥‥覚悟!』
とか、言って斬るらしく、‥‥‥お前、皇希、だよな?お前の事?」
「な、何言っているんだよ!第一、俺の苗字は山崎じゃん!やめてくれって!」
「そうか。そう‥だよな。‥‥‥でも、神城先輩の事でもないよな?」
「何故、俺に聞く?」
「最近、よく一緒に登校してくるじゃん?だから、知ってるかな〜って。」
「‥‥あのなぁ、光先輩と一緒に来るのは、家が近いからだ!それに、本当に仲良かったら、この昼休みに仲良く弁当でも食べたりしないか?」
「‥‥まぁ、それもそうか。ま、気をつけろよ〜。」
「ああ。情報と警告、サンキュー。」
そう言って、彼は友達の所に帰っていった。‥‥‥かみしろ?‥‥まさか、神城?‥後で、仁や光先輩に話してみよう。
‐午後七時、神城家食堂‐
今日の情報を神城家に話した。
「‥‥最近、よく聞く話ね。貴方の事かしら?それとも、単なる偶然?」
光先輩はそう言って、チラッと仁を見た。
「‥‥なんで、俺を見る?」
「知ってそうですから。」
‥‥光先輩は普通の態度だが、‥‥少し怒っているようだ。
「‥怒ってなんていないわよ?」
‥‥‥なんか恐いのは気のせい?‥‥
「‥‥気のせいよ?ねぇ?」
‥‥‥‥‥‥。
「‥‥‥光先輩。俺の勝手な推測ですが、仁は条件になっているから、話さないだけなのでは?」
「‥‥‥一理あるわね。わかったわ。でも、“お父さん”に何かあったら許さないわよ?」
‥‥‥やっぱり、俺は無視と?‥‥‥
その後、恒例となった素振りをやりに、中庭に行った。