fantasy ability・5‐“覚醒”へのcount down‐-7
「‥‥‥あれ?おかしいな、ちゃんと想像したのに?」
「‥いや、それがお前の双剣だ。形は違うが、その差は同じ想像していても、個人差はあるという事だ。仕方がない。」
「そうか。で、何をすればいいんだ?」
「そうだな。素振り五百回。」
「‥‥‥‥マジで?」
「俺は、昔にそれ以上やった。」
「嘘だ〜。」
「‥‥皇希君、織音様は毎日毎回一万回はやってましたよ?」
「えっ!?梛さん?本気?」
「ええ。私と凰輝は五千回が限界でしたが、因みに、私の場合は的当てですけど。」
「‥‥‥そういえば、“凰輝”さんの型は?」
「“凰輝”は俺と同じ双剣だ。居ないから、ついつい言うのを忘れた。」
「‥‥‥。まぁ、解ったよ。やればいいだろ。」
「‥‥見張りとして、毎回誰かに見てもらう。今日は俺だ。」
‥‥‥‥。拒否権はなさそうだな。‥‥‥‥
「無い。」
‥‥‥。
‥‥‥素振り五百回が終わったのは、四時間後だった。しかも、隣で仁、いや、織音もやっていやがった。俺のと比べ物にならない速い素振り、そして、‥‥汗。なんか、負けられない!
しかし、結構疲れてきている。‥‥‥双剣が重い、まるで動かざる山の如しだ。
「‥‥疲れたの?」
「‥‥‥ハァハァ、織音、ハァハァ、なんで平気なんだ?ハァハァ。」
「‥‥まぁ、日々の鍛練は“罪神”になってもやっていたからね。」
「‥‥ハァハァ、今まで、毎日か?ハァハァ、ハァハァ。」
「ええ、そうよ。‥‥今日はもう風呂に入って寝なさい。私は、まだ終わってないから。」
「ハァハァ、ハァハァ。そう‥するよ。ハァハァ、これって、どうやって‥‥しまうんだ?」
「あ、教えてなかったわね。‥‥イメージキャンセラーよ。」
「ハァハァ、‥‥イメージキャンセラー!」
すると、双剣が一瞬にして消えた。しかし、呼吸が上手く出来ないし、体が重い。なんでだ?
「‥‥幻想具現化は精神力が必要してくるの。だから、精神力を鍛えたら、当然、幻想具現化も速く出せるし、かつ、より自分が想像した“モノ”になるわ。覚えておくといいわ。」
「ハァハァ、解った。じゃあ、先に寝てるな。」
「ええ、解ったわ。お休み、皇。」
「ああ。ハァハァ‥お休み、織音。」
その後、風呂に入り、布団に潜りすぐ寝てしまった。
『‥‥二週間後が楽しみね。』
「なっ!?誰だ!?」
『‥‥あら、いけない。皇希、貴方を封じるの忘れてたわ。気にしないで。』
「これは、‥‥夢?」
『‥‥似ているけど、違うわね。夢であって夢ではないわ。じゃあね。ここの記憶は消させてもらうわ。―――。』
「なっ!?待て!何故、知っている?お‥‥‥‥」
「‥‥‥い!‥‥‥あれ?なんか、変な夢を見たような見てないような‥‥‥‥。」
‥‥‥‥思い出せない。‥‥‥なんなんだ、このモヤモヤ感は?‥‥