find out memory-6
守りたい人ね、俺の今守りたい人っていったら、やっぱり織華になるんだろうか。
「なにぼーっとしてるの?」
織華が顔を覗きこんでくる。
「いっいや、なんでもない」
「ふーん、まぁ少し怪しいけどいいかぁ。大丈夫だよ、今は読めなかったから」
「というか俺の心読むなってーの」
「まぁ、気にしない気にしない」
と言って、織華はそのまま走り出した。織華の姿はちょうど落ちかけの夕日にかぶってとても眩しかった。
やっぱり守りたい人はこの人なのだろう。
「もう閉室の時間ですけど」
「あっ?」
気が付くと、そこは図書室だっただった、どうやら寝ていたようだ。多分隣で迷惑そうな顔をしているのは図書委員だろう。
俺はさっきの夢を思い出しながら図書委員に問う。
「そうか、で、今何時だ?」
「ちょうど6時2分前ですね、だからそろそろ退室してください」
「6時、2分前・・・?」
その一分後には俺は校門を出ていた。
「あー、時間がない!確実にオーバーしちまう」
俺は全速力で走った。まず織華の家に行かないと意味がない、というか俺はとにかく家に行く事だけを考えて走った。
何時もの織華の家までの道を半分の時間で走り、結局タイムオーバーしてたどり着いた。
家にはまだ明かりが灯っていた。少しぐらい大目に見てくれるといいが、と思いながらドアノブに手を掛ける、しかし手をひねる前にドアに張ってあった紙に気が付いた。
「なんだこれ」
『ここに来たという事はもう答えは出たのだな?織華はリビングに座らしてある。そこで君の思いを織華に伝えなさい。私は別室でその様子を見る事にする。ちなみに入るときはインターホンを5回押し、一分待ってから家に入ること』
「・・・・」
インターホン5回に一分ってなんだ?
取り合えず迷っていても時間は過ぎるばかりなので、インターホンを押す。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン。
「一分っと」
・・・家からなんかドタドタしている音が聞こえる、なにしてんだろ。
一分たったところで家に入る。すでに俺は緊張で感覚がおかしくなっていた。
少し震える手でリビングの扉を開ける、そこには織華が居た、毛布に包まって。少し顔が赤いようだ。