裂古破今イニシエヲサキイマヲヤブル。-1
桃色の花びらが空を舞う。
春風が優しく包みこむ。
新生活が始まろうとしている。
期待や不安が真っ白な手帳をこれから何色に彩っていくのだろう。
母親のような春風の優しさが望郷の念を燃え上がらせる。
遠くまできたんだ。
実感させる緑の産芽。
今。
いつもあっという間に通り過ぎる今よ。
いつも駆け足で味あわせてくれない時の風よ。
亡霊のような暗い冬が溶けて生まれ出でた季節よ。
僕は今何色をしている？
燻った灰色のままだろうか。
それとも萌える若葉色か。
全てが暖かい春の木漏れ日を見入る。
過去を破り捨てて
殻を割っていく僕の新世界。
生まれたての世界よ。
僕に冒険を与えてくれ。
熱く燃えたぎる情熱のままに。
時をも超える動かぬ信念のままに。
一枚のチケットを手にしたに過ぎない僕のこれからよ。
どうか鮮明に記憶に綴られておくれ。
いつか今を振り替える時にもまばゆい光を放ち続けてくれ。
新しい世界を渡る旅人よ。
後ろを振り返らないで。
前だけ向いて
過去を破り捨てて。
まだ見ぬ親友たちよ。
出逢いの糸を手繰り寄せよう。
始まりの風が吹き抜ける。
桜が舞う。
空が祝福しているかのようだ。
だから
足跡を残しながら歩こう。
大道を闊歩しよう。
共に道が続く限り。
今に漫然としないように。
限界を破り抜けろ。
止まれば沈むから。
固定された視野をこじ開けて。
心を開いて。
君は人生に祝福されているから。
だから唄おう。心のままに。
叫ぼう。その熱情を。青臭さを。
未熟さを。
渇望を。
光を。
幸せを。
生きざまを。
飽きる暇がないほど。
未来が君を待ち望むから。
過去も今も突き破って。
時を超えて。
桜の舞うこの街で。