BEST!-1
恋愛って不思議だな。
いつもその最上級を求めてしまうのに。
求めるだけそれは離れていく。
ホントに欲しいものを手に入れるのは難しいから。
今まで求めていたもの。
今考えると一人先走っていた。
だから転んでばかりでなかなかとどかなかった。
今は違う。
彼女は空気のような存在。自然体でいさせてくれる。いつも優しく包んでくれる。
当たり前になりつつある存在。
そりゃ刺激的じゃないけど、きっとこれが自分の中でBESTなんだと実感した。
窮屈でもなく無理せず付き合えるから。
まるで長年使ったバットのようにグリップが手に馴染む感覚。
それがすべて。
それ以上いらないよ。
そんな彼女は不器用で、
感情表現が苦手で何かに怯えていた。
人が心ん中に入って来ることに恐がっていた。
だから、守ってやりたかった。
必要とされたかった。
誰よりも。
誰よりも強く、深く。
初めてのクリスマスに彼女とお揃いの指輪を買った。
彼女はうれしそうに薬指につけてくれた。
おれの右手にも光るリング。
リングは途切れない二人の証になるといいなぁなんて帰り道で一人思い描いていた。
彼女からのメール。
『ただいま〜!
今 家に着いたよ!
私は リングはずさないからハルも絶対にはずさないでね。
ペアのリングすごく嬉しかったよ!
ありがとうね。
きをつけて家に帰ってね!!
私は今からばあちゃんを家に送ってくるね。
ハル〜27日か28日必ずきてね!!
待ってるからね。
ハルの事すごく愛してるからね!!
それと家に着いたら忘れずにメールしてね!』
付き合ってまだ2ヵ月。
寒い夜の帰り道は一段と淋しかった。
まだ残ってる君の温もりが愛しかった。
真っ暗な部屋に明かりをつける。
一人の部屋が余計淋しくさせた。
一緒にいた分ひとりの時間を持て余してしまう。
『おかえり
無事送ってきたよ!
私だって 帰りすごくつらかったよ。
つらいの嫌だから 早く一緒に住めたらいいね
ハルが 家に着いてくれたから 安心して寝れる
ハルも 早く寝て仕事頑張ってね。
明日も メールいっぱいしようね。
ゆっくり寝て疲れをとってね!!
おやすみ!!』
眠気に襲われる。
君がいないと時間もトロトロとなかなか進んでくれない。
堪えきれない。