空の境界線。-2
なんでもない一歩。
そんなことで変わるはずないと信じていた。
なぜだろう?
でも僕は線を超えたんだ。
もう上空の境界線はない。
足元を見ると今まで重くのしかかっていたソレも全て消えていた。
僕は怖くなった。
歩けないよ。
不安が心を侵食していく。
線なんて自分で引いていけばいい。
そんな声が聞こえた。
風の声。
君が歩きたい道を選べばいいのさ。
確かに聞こえた優しい声。
想像してみる。
目の前に広がる僕だけの道。
たった一つの境界線。
暖かいその線を指でなぞってみた。
ぬくもりを感じた。
歩きだそう。
自分の足で。
自分の道を。