ふたり【あかね2・15】-6
「…………」
頬を赤らめた遊輝は窓の外の星空を眺めながら、キスの余韻にひたるのだった。
―・―・―・―・―・―
「起き…るか」
1時間おきに目を覚ましていた遊輝は、5:30になったのを確認して起き上がった。
外は明るみを滞びはじめていた。
「あかねっ。起きろ。」
案の定、あかねは布団をグルグル巻きにしている。
「ぅ……ん…………」
あかねは辺りを見回してすぐに状況を理解すると、立ち上がった。
これだけ凄い寝相でも、髪型は全く崩れていない。
遊輝はコートをあかねに着せる。
あかねは目を擦りながらボタンを閉め始める。
遊輝は下の方からボタンを閉めてやった。
「じゃあな、あかね。転ぶなよ。」
「うん。…ばいばい。」
あかねはコートにすっぽり隠れた手を振ると、自宅に向かって歩き出した。
ヨタヨタ歩くあかねを見ながら、遊輝は夜のことを思い出していた。
「………寒っ…」
あかねが家に入るのを見届けた遊輝は、小走りで家に戻っていった。
【あかね2・15】
終わり
おまけ
玄関のドアを開けると、薫が腕を組んで立っていた。
「あの声は──あかねちゃんだね?」
「うっ……」
たじろぐ遊輝。
「まっ、深く問い詰めやしないよ。…そっと見守っといてやる。」
「……薫、…仕事で疲れてるんだろ? …子供の恋沙汰、茶化すくらいなら…寝ろよ。」
「―なんだって?」
「──いでっ、痛でででで……!!」
………母は偉大であった