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仮想現実。
【エッセイ/詩 その他小説】

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仮想現実。-1

それは 悲しいのか 憎んでいるのか 寂しいのか 心地良いのか、よく分からない。

形にしがたい感情が 常に胸中に滞る。

これは何?




仮面を繕う表面の私は、完璧に演じる事を求められる。

その人格を押し売って、私は私で居ようとする。

そうでなければ 自分を確かめる事が出来なくて
自我が強くなければ 私では有り得ない。

狼狽は惨めで 迷う事は許されない。

何故なら それは 偽りで―‥無機質でなければいけない だから。

必ず最後には 裏切って 皆を嘲笑うのだから。

「ごめんね これは嘘なんだ」
そう笑って最後に言えたなら、、罪を自供できたなら、、でもそれは許されない事。

罪と認める事は、誰かを傷つける。
裏切りは、憎しみを呼ぶ。
偽りの世界でも 汚れた感情を覆い隠してくれるなら―‥

私は嘘を守り通そう。

大切な―‥ 本当に大切な人に、絶望は見せたくないの。
何より私が、絶望を知る貴方を見たくない。

それを受け入れられる程、強くはないよ。

守らなきゃいけない。
何が何でも。

お願いだから、これ以上、傷つけないで。



目を瞑った景色は、
誰かや周りや私自身、それこそ真っ暗で、何も、何も見えなかった。

ただ、何も知らなかった過去のように、強がりじゃない、本音で、笑ってられた、昔の私がとても痛々しく存在を示していた。


音の無い水の底。

包まれた空間は、空気の層より下の世界。

遠い遠い記憶の中で 微かに生まれた記憶を思い出す。

海の記憶は、耳に馴染む。

聞こえるのは 自分の鼓動ばかり―‥。




立っているこの世界に、訪れた少しの静寂。

どんなに真っ暗な闇であれ、音が降り積もる音が聞えてくる。

し―‥ん、とした音が鳴り響いている。


そんな風に、忘れられなくて、根付いた名も無き草花のように、認められずともそこに在る。


ただ、それは,,,何かを守りたくて必死だった。


必死に嘘を、守って生きた。


数え切れない罪は、無言の静寂として降り積もる。



汚れずに、罪を重ねた、その手はあまりにも―‥


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