Marihuana-3
庭中に何の違和感もなく、植えられていた植物は、紛れもなく、マリファナだった。僕は、涙をボロボロと流し、その場で崩れ膝をついた。
「うぁぁぁぁァァァ!!」
僕の嘆きの叫びは、彼女が眠っている二階の寝室にまでうるさく響いた。
僕は、この悲しみをどう表現すればいいんだ…
荒れ狂って庭中の大麻をむしりとる己の姿が目に浮かんだ。僕のせいだ!!僕が彼女の悲しみを分かってやれなかったから!僕が支えてあげなかったから!!
しばらくして、僕はようやく少し平静を保てるようになった。彼女が眠る寝室に戻り、彼女の首を少し起こすと、彼女は笑顔で僕の顔を細い指先でなぞった。
「死にたい……」
きっと、クラリアはその言葉をずっと頭の中で抱えていたんだろう。その時放った「死にたい」の重みが、僕の心臓をグサグサと突き刺した。
僕は決めた。この悲しみを弾くことを…
これまで僕が弾いてきた曲は、譜面が弾いていたような曲ばかりだった。僕自身の感情が全く入っていない。表現できていなかった。
今度は、キミのために、僕のキミに対する全て…
キミの全てを曲に込めて、その全てを僕の全身で表現するよ…
僕は次の日、彼女を抱きかかえ、車に運び、家まで連れていった。
それから、僕は白紙の譜面に少しずつ音符を刻んでいった。毎日のように彼女は「死にたい」と言っている。泣きながら、笑いながら…それ以外のことはまるでしゃべらないほど、彼女はその言葉に執着していた。死にたいほど彼女は苦しかったんだ。だから大麻なんかに…
僕は色んな気持ちを楽譜に載せていった。
そして、ある日………
「できた!」
僕はようやく一つの曲を完成させることができた。朝の光が優しく差し込んできた。この曲を僕は今日あるコンサートで発表するつもりだ。これは僕が見つけた答え…。クラリアのために見つけた自分自身の感情。
「………じゃあ、先に行ってくるよ。」
「……………。」
身支度を済ませた僕は、妹の肩をポンとたたいて言った。彼女の中には、まだ死にたいという感情が残っていた。