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遮二無二。
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遮二無二。-1

思考を捨てろ。 

そんな 

重く窮屈なモノなんて。 
いつも僕は僕自身に言い聞かす。 

もしもなんて言うな。 

影を想像するな。 

いつのまにか、その影に足が生えて、手が伸びて 

おまえをがんじがらめにするから。 

思考を捨てろ。 

目の前の事象にのみ意識を合わせて。 

合わせて。 

そして 

掴め。 

そのために 

思考を捨てろ。 

僕の頭を反芻する唯一の声。 

打算も。 

感情も。 

畏れも不安も。 

全て捨て去れ。 

それが始まり。 


心の中身を全部掻き出して其処に出したら、 
どんな異臭がするだろうか? 

きっと胃液のような酸っぱい匂い。 

必要ないモノ捨ててしまえ。 

おまえを一度空にしてみろ。 

其処に付き纏う恐怖や無くす不安に打ち克たない限り、 

今は変わらないから。 

塗れた今に虚像の希望を。 

そんな切ない表面だけの虚しい生き方。 

捨ててしまえ。 


捨てられなくても 

いつか必ず 

捨て去る時がおまえを掴む。 

その時気付くさ。 

「無用な荷物を持ちすぎたのだ」と。 

手遅れになる前に 

おれがおまえを掴み上げてやる。 


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